MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

カジノは良心的!? ギャンブルの土台「控除率」をシンプルに理解する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2014/09/29 08:00

 カジノについて議論するにあたり、基礎的なギャンブルの知識は必須です。今回は様々なギャンブルの「控除率」を見ながら、カジノゲームの性質及び位置づけを解説していきます。

全ギャンブル共通の基本からカジノの位置づけを知る

 6月の通常国会で審議入りしたカジノ法案(IR推進法案)は、臨時国会で引き続き審議され、この国会中にほぼ成立すると見られています。この状況をうけて、国内ではカジノそのものの是非や、運営の方法など、カジノに関連する議論がこれまでにないくらい盛り上がっています。

 もちろん議論が活発なのは良いことですが、基本的な知識や前提条件が抜け落ちた、感情にまかせただけの意見も散見されます。せっかく話し合い、意見を交換するのですから、カジノに関する基礎はしっかり押さえておきたいところ。

 今回はカジノゲームを含むすべてのギャンブルに共通する基本的概念と、いろいろなギャンブルのなかでのカジノの位置づけを解説していきたいと思います。

控除の方法は2種類

 胴元と相対するすべてのギャンブルは、胴元が勝つように設計されています。「控除率」や「大数の法則」に基づく原理がある以上、私たちは“ギャンブルをすれば負ける”のが当然です。これを議論の前提に置きましょう。

 もちろんこの数学的な考えからはみ出す事象、すなわち回収金額が投資金額を上回ることや、究極的には宝くじ一等当選や万馬券的中といった例外もあるわけですが、それらをすべてひっくるめた大きな構造において、胴元が勝ち、参加者が負けるという結果に行き着く事実は揺るぎません。個々の事象をピックアップするのではなく、全体を見る。これがギャンブルを正しく議論するために必要な目線だと言えます。

 さて、参加者の収支は「控除率」の分だけマイナスになる……という結果へ収束していくのが、ギャンブルの原理です。ここでカギとなる控除の方法については、2タイプに分類することができます。

 まず、どの勝負も必ず胴元が勝つタイプのパリミュチュエル方式から紹介します。競馬や競輪、競艇、オートレースといった公営競技や宝くじ、toto、ロト6などがこのタイプで、参加者が投じた賭け金を胴元がいったんすべて手元に集め、そこから控除分を引き、残りを参加者に分配します。最初に胴元側が控除を行っているため、どの勝負も必ず胴元側の利益は確保されます。公営競技など“絶対に負けられない”ギャンブルで主に採用され、そのため大きな控除を取られるのが特徴です。

 それに対するもうひとつの方式は、ルーレットやブラックジャック、バカラなどのカジノゲームで採用されている控除方法で、オッズ等に控除率を差し引く仕組みを設けているものです。胴元側からすると、一定の控除率が得られる設計にはなっているものの、パリミュチュエル方式とは異なり、毎回の勝負結果はやってみるまでわからないというリスクを伴います。

 よって展開次第では、胴元が何回も続けて利益を得られないこともありえるのですが、参加者数と試行回数が増えるほど大数の法則の影響力が強固になるわけで、理論的には胴元が所定の控除を得る結果に近づいていきます。特徴は、公営競技よりも圧倒的に控除率が低いことだと言えます。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 鹿内 武蔵(シカウチ ムサシ)

    株式会社東京カジノラボ代表取締役。FX情報誌を中心にマネー系メディアの執筆・編集に携わったのち独立。カジノゲームのルールとIR法案の最新情報を発信する総合的カジノメディア、東京カジノラボを運営。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2018 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5