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運輸業者、燃料高騰や人手不足で厳しい経営環境
「燃料サーチャージ」導入で打開できるか

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2014/09/27 18:00

 帝国データバンクは9月8日、運輸業者の倒産動向調査を発表した。それによると、2014年1月から8月に発生した運輸業者の倒産件数(法的整理のみ、負債1,000万円以上)は273件で、前年同期比で1.8%の減少となった。

 ただ、倒産件数は2008年から400件を上回って推移しており、高止まりが続いている。年末にかけて倒産が増加する傾向がある季節要因を考慮すると、今年も倒産件数は400件を超えると予想されている。

 倒産の主因別にみると、「販売不振」が200件で最も多く、全体の73.3%を占めた。以下は、「業界不振」の13件(構成比4.8%)、「その他の経営計画の失敗」と「経営者の死亡・病気」の6件(同2.2%)などがそれぞれ続いた。

 2013年はアベノミクスによる景気回復の恩恵は運輸業界まで及ばず、エネルギー価格が高騰する一方で、運賃への転嫁が進まなかった。また、ドライバー不足も深刻化し、厳しい事業環境だったとみられる。

 ただ、2014年になって、消費税率引き上げ前の駆け込み需要による物流が増え、運輸業界にも若干明るい兆しが見え始めた。さらに、慢性的なドライバー不足から、荷主との交渉も強気で臨むことが多く、運賃への転嫁もある程度は進みつつあるようだ。

 そんな中、全日本トラック協会などが中心になって、燃料価格の変動によるコストの増減分を別建ての運賃として設定する「燃料サーチャージ」制度の導入を、積極的に進める動きもみられる。実際の導入には荷主の理解も必要なため、簡単ではないものの、9月18日時点で全国で1,090社が「燃料サーチャージ」導入を届け出るなど、前進している。

 運輸業界は燃料価格の上昇やドライバー不足など、コストアップ要因を抱えている。事業環境を改善させるためには、荷主に納得してもらえる運賃設定が一層重要になってきそうだ。

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