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調剤薬局がグループ化で規模を拡大
調剤薬局の調剤報酬の構造も影響か

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2014/09/27 20:00

 近年、調剤薬局グループが積極的にM&Aを実施し、規模の拡大を進めている。

 矢野経済研究所は9月12日、調剤薬局グループに関する調査結果を発表した。調査は調剤薬局グループ企業を対象に、4月から7月にかけて実施された。今回の調査では、20店舗以上の保険調剤が可能な薬局を保有する薬局開設者を、調剤薬局グループと定義した。

 レポートによると、調剤薬局グループの現状は、2013年9月時点の地方厚生局の保険薬局開設者資料と、矢野経済研究所のデータベースから算出したところ、全国で210グループとなった。また調剤薬局210グループが保有する保険薬局店舗数は1万4,484店で、全国の保険薬局5万5,644店の26.0%を占めた。

 レポートでは、調剤薬局グループの保険薬局店舗数に占める比率は、今後も拡大すると予想している。これは近年、調剤薬局グループが活発にM&Aを実施しているため。M&Aの対象となる保険薬局の多くは、数店舗を展開する個店薬局だったが、今後は大手調剤薬局グループ同士の再編という動きも予想されており、さらなるグループ化が進むとみられている。

 このようにM&Aが加速する背景には、調剤薬局の収益構造も関係しているようだ。

 患者が病院や診療所から発行された処方せんを調剤薬局に持参すると、薬剤師が調剤してくれる。このとき調剤薬局には、厚生労働大臣が定められた「調剤報酬点数表」で算出された調剤報酬が支払われる。この調剤報酬が、調剤薬局の収入となる。

 調剤報酬は、処方せんに基づいて薬を調剤する技術に対して算定される「調剤技術料」と、保険薬局が患者に薬の飲み方を指導したり、薬に関する情報を提供した場合に算定される「薬学管理料」、処方された薬剤の価格によって換算される「薬剤料」、インシュリンの針などが処方された場合に算出される「特定保険医療材料料」の4つに分類される。

 例えば、「調剤技術料」は「調剤基本料」と「調剤料」に分かれており、調剤調剤基本料は、薬局ごとに規模や業務内容等により点数(価格)が決められている。また基本料は処方箋の受付回数に応じて算定される。こうした構造によって、規模拡大のメリットが収益の増大につながっている。

 調剤薬局の好業績ぶりは「調剤バブル」などとも呼ばれ、儲けすぎといった批判の声が上がることもある。ただ今後は人口が減少傾向にあることや医薬分業の伸び率鈍化、店舗数全体の増加にかげりも見え始めている。こうした環境の変化も、大手薬局の規模拡大や再編に影響を与えそうだ。

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