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新たな客層を狙う百貨店の新サービス
学割やネットとの融合、試着サービスなど

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2014/12/30 14:00

 アベノミクスによる好景気の到来で消費も大幅増と思われたが、ことはそううまくは運ばないようだ。消費者の財布のひもは依然として堅い。低迷する消費行動に、売る側もとまどっているようだ。

 内閣府が発表した「11月の景気ウォッチャー調査」でも、景気の現状判断DIは標準値50に対して前月比2.5ポイントダウンの41.5。特に日々の買い物と直結した小売業は、マイナス3.5ポイントと低迷気味だ。小売業といえば、訪日外国人観光客が牽引役となり、一見好調そうな百貨店も同様だ。日本百貨店協会(東京都中央区)が発表した11月の全国百貨店売上高概況でも、外国人観光客の売上高は22カ月連続プラスと依然絶好調。だが売上高総額は、前年同月比8カ月連続マイナスと日本に住む庶民の消費パワーはいまひとつの状況だ。そこで百貨店は、新しい売り方はと知恵を絞り、提案し、消費者の反応をうかがう。

 温故知新なる言葉も新サービスのキーワードかもしれない。東武百貨店池袋店(東京都豊島区)のアクセサリー売場で、12月上旬より19日まで試験的に導入されたのが「学割」だ。クリスマスのプレゼント商戦の時期に、普段はあまり百貨店で買い物はしない大学、短大、専門学校の学生の来店&購入のきっかけづくりを目的に展開された。内容は学生証の提示で、対象ブランドに限り表示価格より10%割引となる。すでに終了したこの学割サービスだが、今回の結果などを踏まえて次年度以降も2回目と“続き”はありそうだ。

 一方、老いも若きも買い物はインターネットを利用する時代。ならばITテクノロジーをライバル視するのではなく、上手に取り込めという動きもある。それが11月22日に開業した商業施設「グランツリー武蔵小杉(神奈川県川崎市)」内の「西武・そごう武蔵小杉SHOP」だ。

 小型の百貨店であり、また初の西武・そごうの両名称がつく同SHOPでは、2つのサービスが話題だ。ひとつは「ライブショッピングサービス」。これはライブ中継で、西武渋谷店(東京都渋谷区)とそごう横浜店(神奈川県横浜市)を結んだもの。利用者は西武・そごう武蔵小杉SHOPに居ながらにして、同時に3店舗の販売員と、会話を楽しみながらお気に入りを見つけることができる。利用はインターネット、または電話の予約制となるが、移動時間いらずで効率よく買い物ができると、滑り出しは好調だ。もうひとつは「ご試着サービス」。こちらは、専用ウェブサイトで見つけた気になる衣料品にチェックを入れれば、1回4着まで西武、そごう武蔵小杉SHOPに取り寄せてくれる。商品を実際に手に取って確認ができて安心と、こちらも人気となっている。

 さまざまな層の消費行動を喚起するために、百貨店では今後も新たなチャレンジが続きそうだ。

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