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町工場の二代目がネットで新規獲得に成功!
職人が生き残る道は、小規模の仕事を積み重ねていくこと

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2010/01/18 09:00

 今回は、東京・墨田区で町工場を営む丁官一郎さんのお話です。金属部品や金型の製作等を行う三進製作所は、ここ数年、Webサイトで新規顧客を獲得しているそうです。インターネットで顧客と心を通わせる、町工場の新しいあり方を模索しています。

町工場もインターネットで勝負する時代に 三進製作所経営者に聞く!

 町工場が集まる東京・墨田区にある、創業42年の三進製作所は、金属加工を主事業とする従業員5名の町工場だ。業界を代表する企業に納める金属部品、金型の製作、プレス加工などを行っている。世界同時不況で業界全体の売上が落ち込む中、同社は奮闘している。

 「町工場の社長さんは頑固な職人気質」。そんな想像は、社長の丁官一郎さんを訪ねてすぐに打ち砕かれてしまった。紺色のスーツに身をまとった丁官(ちょうかん)さんは、終始にこやかな笑顔で話をしてくれた。

 同社が力を入れているのは、多品種小ロットの受注。Webサイトを開設し、個人や小規模企業からの注文にも対応する。「これからは町工場でも、不特定多数の顧客を獲得する一番のツールがインターネットになると思います」。試作品1個から注文を受け、町工場特有の小回りの良さを活かし、短納期を実現する。ワイヤーカット加工関連の試作なら、即日対応から3日以内の製作をモットーとする。ネットからの注文でも、休日に部品を製作することもある。

 「大企業からの受注を増やすことを考えることも良いでしょうが、このような不況の中では、これまで目を向けなかった小規模企業や個人へとお客様の裾野を広げていくことが大切です。今までは家電、パソコン、デジカメ、携帯電話等の電子部品、自動車の電装部品等の精密部品などにこだわっていたのですが、金属の用途はそれだけではありません。雑貨、文具、アクセサリー等、金属の使い道は多いのです」

 現在、個人事業主、趣味でたとえばオーディオ機器やモデルガン、特殊な自転車やバイクを自作している個人から、「送った部品と同じものを作って欲しい」「図面に描いたような部品が作れないか」という問い合わせが少しずつ増えている。

 昔から、わずか数ミリの部品製作を得意としてきた。携帯電話等の小さな機器に使われる金属部品には、虫眼鏡で見なければわからない、精巧な穴やくびれがある。

 「すべて熟練職人の手作業で、巧みな技術が活かされています。これから機器は小型化され、部品もどんどん小さくなっていく。弊社のように小さな部品を作ってきた工場は、これからの時代に合っているかもしれません」

二代目として経営実務を担当 若い頃から銀行との付き合いを重視

 三進製作所は、1968年に丁官さんの父親が創業した。金属加工の職人だった父親の背中を見て育った丁官さんは、大学卒業後、同社に入社して経営管理や営業職を担当。社長である父親から経営実務をすべて任されていた。お客様との慰安旅行にも父親に代わり、すべて参加した。「20代の頃から30歳以上年の離れた社長たちとの付き合いをし、勉強になることも多くありました」

 また、銀行との融資交渉もすべて任された。「会社は、会計がしっかり管理されていないと存続できない。世間一般的に2代目社長の短所として言われることは、“経理面”を親に任せ切りで経験が少ないこと。私の場合、若い時から銀行との付き合いをしてきたので、その経験が今でも役立っています」

 現在、町工場の経営はどこも厳しい状況にある。新しい取り組みを始めた丁官さんのチャレンジの過程とその成果をうかがった。(次ページへ続く)


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