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グローバルなサービスを目指してアメリカで法人化 音楽セッションアプリ「nana」の起業物語

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2014/02/25 08:00

 今回は、歌声や演奏を共有するiPhoneアプリを開発、運営する文原明臣さんのお話です。YouTubeでハイチ地震のチャリティ・ソングを聴いてサービスを思いつき、Twitterや知人の紹介で創業メンバーが集まりました。サービス開始から1年半、多くのユーザーが、ウェブ上で音楽セッションを繰り広げています。

歌声を世界で共有するiPhoneアプリ『nana』で起業

 iPhoneをマイクに、世界中の人と一緒に楽曲を作り上げるアプリ『nana』。

 歌声や楽器演奏を90秒間録音し、アップすると、別のユーザーが新しいサウンドを重ね録りしてセッションしていく仕組みだ。iPhoneを通じてまったく知らない人同士がセッション、たとえば、最初にピアノ伴奏、次にギター演奏を乗せ、その音源にコーラスが重なり、各地に住む20名によるコラボレーション曲が出来上がったりする。

 「音楽を発信して繋がりたい」願望を持つ人は多く、『nana』ユーザーは、10~20代を中心に加速度的に増えているという。

 「アーティストは、視聴者を楽しませるエンターテイナー。音楽の上手い下手だけでなく、その成長ストーリーに共感してファンがつきます。現在、ネット上にいろいろなメディアが存在し、各メディアの人気者にはプロとなる可能性も広がっているので、将来的にnanaからもプロアーティストが生まれるかもしれません」

レーサーになる夢に破れ、Twitterが心の支えに

 そう語るのは、『nana』の開発・運営を行う株式会社 nana musicのCEO文原明臣さん。1985年に兵庫県神戸市で生まれた。

 音楽に興味を持ち始めたのは、中学2年生の時。缶コーヒーのテレビCMで、スティービー・ワンダーの歌を聴き、ブラックミュージックに憧れる。「ジャズバーで歌うようなシンガーになりたい」と、独学で音楽を学んだ。

 神戸高専在学中に免許を取得、車を運転する面白さに目覚め、今度はF1の世界に憧れた。ガソリンスタンドに勤めてアルバイトをしながら2009年までの6年間、クルマのことだけを考えて過ごしたが、資金的に継続が困難になった。

 「24歳でレーサーになる夢を諦め、心の中が空っぽになりました。運転教習所のコーチとして短期間勤めてみましたが、僕はF1の世界でプロになること以外、車に興味が沸きませんでした」

 その後、モータースポーツのイベントを企画・開催しながら、生き方を模索した。その頃、心の支えになったのはTwitterだった。

 「レースばかりの生活だったので、正直、外の世界を知りませんでした。Twitterで皆が自由につぶやく、さまざまな価値観に触れ、『こんな考え方があるんだ、自分の考え方は間違っていない』『もっと自分を出していいのだ』と、自分の生き方を許された気がしてラクになりました。僕がつぶやいていたのは本当に独り言、好きなアニメや漫画の話だったんですけどね……」

 失意のどん底だった時、心を大きく揺さぶる出来事が起きた。それは、2010年1月のハイチ大地震、その翌月にチャリティ・ソングとして企画された「We are the World for Haiti」をYouTubeで聴いた時だった。(次ページへ続く)


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