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中小企業の社長にとって悩みの跡継ぎ問題、
「後継者未定」との社長が3割強

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2015/04/19 18:00

 この春は例年以上に多くの新入社員が入社したという企業が多いだろう。そして受け入れる側は新入社員が将来、会社を背負って立つことを期待している面もある。だが中小企業や個人事業主では、後継者問題に悩む経営者も多い。法政大学大学院中小企業研究所とエヌエヌ生命保険株式会社が4月6日に発表した共同研究結果から、その苦悩ぶりが浮き彫りになった。

 共同研究は産学連携プロジェクトとして、中小企業支援を目的に行っているもので、2014年7月から同年8月にかけて、全国の従業員が10人以上、1000人未満の中堅・中小企業の代表取締役に対して「事業承継に関する調査」として実施した。

 後継者について、後継者の人選を「まだ考えていない」社長は4割弱、常に考えているものの「後継者が未定」との答えが3割強もあった。同族企業で親族に経営を継がせるという答えも多かったが、「親族以外の役員・社員」も2割強あり、“脱親族トレンド”もうかがえた。

 後継者問題は周囲には相談しにくいものだが、相談相手としては税理士や公認会計士を挙げた社長が多かったが、「相談相手がいない」という答えは36.5%もあった。人知れず悩んでいるものの、誰にも相談できない孤独な経営者像が見てとれる。

 研究に携わった法政大学大学院中小企業研究所の坂本光司教授は「毎年多くの中小企業が消滅している。その大きな理由が事業承継、つまり後継者不在の問題。後継者がいないという理由で事業が消滅するのは大きな社会的損失だ」などとコメントしている。

 こうした現状について国も支援に乗り出している。平成20年施行(27年一部改正)された「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(中小企業経営承継円滑化法)」に基づき税制面での優遇や金融支援措置を行っている。

 具体的には株式などを先代経営者から相続や贈与で取得した場合に相続税や納税が猶予される場合がある。金融支援制度では金融機関からの資金調達を受けやすくしたり、代表者個人が融資を受けるための特例を設けたりしている。

 中小企業ではないが「大塚家具」のように後継者問題で会社が不安定になると、事業にも影響を与える可能性がある。目先の経営も大事ではあるが、会社存続にはスムーズなバトンタッチが欠かせないことを経営者は肝に銘じておく必要がありそうだ。

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