MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

マイナンバー制度、企業の負担は約109万円
課題は「情報セキュリティの強化」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2015/05/30 22:00

 マイナンバー制度に向け、企業の対応が進みつつある。企業にはそのためのコスト負担と、情報セキュリティ強化という課題が生じている。

 一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)と株式会社アイ・ティ・アール(ITR)は3月24日、「企業IT利活用動向調査2015」の速報結果を発表した。調査は従業員数50名以上の国内企業に勤務するIT戦略策定または情報セキュリティ施策に関わる係長相当職以上の役職者を対象に実施され、698社から有効回答を得た。調査期間は1月26日から30日。

 まず、重視する経営課題について複数回答で聞いたところ、「業務プロセスの効率化」が58.7%(前年同期比0.5ポイント増)となり、過去の調査結果に引き続いて首位となった。次いで多かったのは「情報セキュリティの強化」の39.8%。前年同期より8.7ポイント上昇し、上昇幅が最も大きかった。以下は「社内コミュニケーションの強化」の38.8%(同2.8ポイント減)、「社内体制・組織の再構築」の36.0%(同2.9ポイント減)と続いた。

 このように、「情報セキュリティの強化」を経営課題に考える企業が増加しているのは、2016年1月以降に予定されている「社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)」が影響している。調査結果によると、73.6%の企業が情報システムの対応の必要性を感じており、そのうちの約半数が完了または作業が進行中であると回答している。

 ちなみに、有効回答を寄せた企業のうち、5.2%(36社)の企業が「過去1年間に、内部不正による個人情報の漏洩・逸失を経験した」と回答した。マイナンバー制度の実施に向け、情報セキュリティの強化は重要な経営課題であるといえそうだ。

 ただ、セキュリティ対策を含めた企業の負担は相当のものになるようだ。5月19日に帝国データバンクが発表した「マイナンバー制度に対する企業の意識調査」(調査期間は4月16日~30日 調査対象は全国2万3,211社で、有効回答数は1万720社)の結果によると、マイナンバー制度へのコスト負担額は1社当たり約109万円と推計された。負担額は従業員数が多くなるにしたがって上昇し、「301人~1,000人の企業」では326万円、「1,000人超の企業」では581万円が想定されるという。

 マイナンバー制度では、集めた従業員の個人情報の適切な管理などが企業側に求められる。まずは、マイナンバー制度に伴って必要となる対応をしっかり認識する必要がありそうだ。

【関連記事】
マイナンバー制度、個人向け番号配布近づくも 中堅・中小企業の約半数はその内容を知らず
2016年スタートのマイナンバー制度 環境整備や課題解決がビジネスチャンスに
マイナンバー制度、行政をスリム化か ソリューション市場は拡大予想
IDパスワード忘れ9割、使い回し7割、生体認証には6割が前向き
ECサイト、パスワード8ケタ未満が約8割

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

All contents copyright © 2007-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5