MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

「ジェネリック医薬品」、市場に大きな影響
扱う企業は好調で過去最高益も

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2015/05/31 20:00

 矢野経済研究所は5月13日、「医療用医薬品の将来予測」として、2つのケースを想定した調査結果を発表した。調査期間は2014年5月~2015年2月、調査対象は、製薬企業、医薬品卸、医療機関、薬局、行政当局、学識経験者等。

 まず、ケース1では、医療制度改革が医薬品需要に多大な影響を及ぼし、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の数量ベースシェアが2022年頃までに80%に達し、市場は新薬かジェネリック医薬品かという構造を持つことを想定して算出。その結果、医療用医薬品生産高(輸入品を含む)は2015年が9兆144億円、2018年が8兆2,711億円、2022年には8兆164億円になると予測した。このケース1の場合、ジェネリック医薬品のシェア拡大によって、市場全体の生産高は頭打ちになるとみられている。

 一方、ケース2では、医薬品需要の底固さと、結果的に穏やかに推移する医療制度改革を加味し、抗がん剤や糖尿病治療薬、循環器官用薬などが順調に売上を伸ばし、新薬創出加算品目が一定程度寄与し、全体を下支えすることを想定して算出。その結果、医療用医薬品生産高(輸入品を含む)は2015年が9兆4,335億円、2018年が9兆3,315億円、2022年が10兆954億円になると予測した。

 こうした見通しの中、後発医薬品(ジェネリック医薬品)は市場の中でますます構成比が高まるとみられている。厚生労働省によると、ジェネリック医薬品の数量シェアは2013年時点で46.9%だが、欧米諸国に比べて普及が進んでいないため、2018年3月末までに、数量シェアを60%以上にするという目標を掲げ、使用促進のための施策に積極的に取り組んでいる。矢野経済研究所の予測でも、2022年にはシェアが80%になると見込んでいる。

 国の施策や医療費抑制の一環としてジェネリック医薬品が普及している中で、扱う企業の業績も好調だ。ジェネリック医薬品大手3社の2015年3月期の決算では、沢井製薬の純利益は前期比15%増の140億円、東和薬品は86%増の111億円、日医工は前期比44%増の65億円となり3社とも過去最高を更新した。テレビコマーシャルで見ない日はなく、国民の間でも一時の抵抗感は薄らいでいるようだ。

 また、どんな分野の医薬品がよく利用されているのだろうか。富士経済が4月13日に発表したジェネリック医薬品の薬効領域別の内訳を見ると、「高血圧症治療剤」「抗がん剤」「脂質異常症治療剤」などのシェアが高く、これらの医薬品がジェネリック医薬品市場をけん引すると予測されている。

 以前は医師の勧めで切り替える人が多かったが、知名度が上がり、情報も多く流されていることから、患者から医師にジェネリック医薬品に切り替えることを希望するケースも増えてきた。今後もジェネリック医薬品市場と取り扱う企業の動向に注目が集まる。

【関連記事】
4月から変わる「お薬」事情 飲み残し500億円、うがい薬61億円にメス
高齢者を狙った介護サービス詐欺も 国民生活センターが注意喚起
被害者の気持ちにつけ込む詐欺事件続発 医療機関債詐欺、被害回復の勧誘手口とは
モノタロウ、「医療・介護用品」専用モールを開設
ケンコーコム売上高208億円、楽天24成長も減益 「商品数を増やし、医薬品・日用品を両軸に」

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

All contents copyright © 2007-2021 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5