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倒産発生率は減少傾向も、地域や業種で格差
円安や人手不足などが影響与える

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2015/06/20 22:00

 倒産の発生率は減少傾向にあるものの、円安や人手不足などによる倒産も発生。地域や業種によって、差があるようだ。

 このところ、倒産の発生は減少傾向にあるものの、地域や業種によって格差も生じているようだ。

 東京商工リサーチは6月8日、2013年度の倒産発生率を発表した。発表によると、2015年3月公表の国税庁統計法人税表(平成25年度分)に基づいた普通法人の倒産発生率は全国平均で0.34%で、前年度の0.38%を下回った。前年度の水準を下回るのは5年連続。

 2008年に起きたリーマン・ショックによる経済不況の中、中小企業の倒産を防ぐため、2009年末に中小企業金融円滑化法が実施された。当初は時限立法として2011年3月末で終了する予定だったが、東日本大震災による景気への配慮から2013年3月まで延長された。中小企業金融円滑化法後には倒産の増加が憂慮されたものの、それにともなって実施された中小企業金融モニタリング体制の効果や、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じたことなどから、倒産発生率が抑制されたようだ。

 ただ、倒産発生率は地域によって明暗が分かれている。

 都道府県別で見ると、倒産発生率が最も高かったのは静岡県の0.49%で、前年度9位から上昇した。以下は大阪府の0.43%、石川県の0.41%、東京都の0.40%などと続いた。一方、倒産発生率が最も低かったのは福島県の0.09%だった。原発事故の賠償金のほか、復興工事や各種支援の効果が影響した模様。

 倒産の発生には、人手不足や円安なども影響を与えている。

 東京商工リサーチが6月8日発表した、「人手不足」関連倒産の調査結果によると、5月には代表者死亡などによる「後継者難」型の倒産が24件、「求人難」型の倒産が1件発生した。これまでは、代表者死亡や入院などによる「後継者難」型や、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」型の倒産が中心だったが、最近では「求人難」型の倒産も発生。人手不足や人件費高騰は中小企業経営の足かせになっているようだ。

 また、東京商工リサーチが同日に発表した「円安関連倒産」の動向調査結果によると、5月には「円安」関連倒産が7件発生。前年同月の22件、前月の17件と比べると、その件数は減少傾向にある。ただ、このところ円安は進んでおり、海外からの輸入に頼るエネルギーや資源、食料品などの価格上昇の影響も懸念されている。今後の為替の動向によっては、再び増加に転じるおそれもある。

 倒産発生の理由はさまざまで、地域や業種による格差も大きい。景気全体は上向いているようにも見えるが、その度合いは「まだら模様」と言えそうだ。

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