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「おわびセール」で業績好調の大塚家具
背景には従来モデルを活かした戦略

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2015/06/21 18:00

 「おわびセール」などで売り上げがアップした大塚家具、久美子社長の戦略は決して真新しいものではなかったようだ。

 経営権をめぐって父娘が骨肉の争いを繰り広げた大塚家具。久美子社長が信任され、新生・大塚家具は”おわびセール”とも呼ばれた「大感謝フェア」が功を奏し、2015年5月の全店舗売上高は前年同月比で170%と好調だった。連日、ニュースだけでなくワイドショーまでもが騒動を取り上げたこともあり、消費者が大きな関心を寄せたようだ。

 そんな中、大和総研の主任コンサルタント・林正浩氏が、大塚家具の検証レポートを5月15日と6月5日に公表した。同氏は「経営方針や経営戦略に関する考え方の違いは当初、父娘の世代間における価値観の相違といった必ずしも正しいとは言えないコンテクストでメディアに取り上げられたことから単純な二元論に収斂され、結果として多くの人の誤解を招いたことは否めない」と分析した。

 ビジネスモデルについても、2月25日に発表された中期経営計画や久美子社長の発言を見ても「経営における基本路線の選択が争点であったと誤解されがちだが、生産体制や流通システムの抜本的な変革がポイントとはなっておらず、その限りにおいて父娘がビジネスモデルの根幹で争った形跡はないといえよう」と指摘している。

 久美子社長が自社のホームページで述べているメッセージでも、従来モデルを活かそうとする考えが伝わってくる。「当社の強みであるサプライヤーネットワーク、独自流通システム、人材などの事業基盤を活かし、既存店の収益力強化、新規出店、提携販売強化、BtoB事業強化などの施策に取り組み、高・中価格帯の単品需要の呼び戻しや拡大するインバウンド需要を含む法人需要の取り込みを図ってまいります」と述べている。

 また、同社がIKEAやニトリのような大衆価格路線に参入するのではという見方もあったが「価格が安ければ経済的であるとは限りません。安いものでも何度も買い替えることになれば結局高くつきます。消費者が求めているのは真の経済性、一定の予算制約の中で、長い目で見てどれだけの高い満足を得られるかということでしょう」と低価格路線に走る意向はないことを表明している。

 その一方で、経営ビジョンに「日本の『住』は成長市場となる」「その成長市場で、『住まうこと』に必要な全てを提供する企業を目指す」とあるように、さっそく新たな視点での販売戦略も打ち出している。5月29日には「眠りの改善プロジェクト」を発表。不眠大国とも言える日本で、インテリアと眠りを関連付け、全国のショールーム15店舗で「眠りの相談会」「眠りのセミナー」、香りや音を駆使した「コンセプトルーム」などを企画した、ユニークなフェアを展開した。

 お茶の間に父娘の争いが持ち込まれたことで、消費者の中には敷居が高いと思っていた大塚家具が、どこの家にもありそうな父と娘の言い争いのような日常的な風景を繰り広げたことに、かえって親近感を持った人も多いかもしれない。今後の同社の動向には、これまで以上に注目が集まりそうだ。

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