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派遣労働市場に大きな変化
派遣需要の高まりで待遇改善のチャンスか

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2015/06/27 14:00

 派遣労働者の需要が増加するなか、労働者派遣法改正案が成立する見通しとなった。派遣労働市場に大きな変化が訪れそうだ。

 労働者派遣法改正案が成立する見通しとなり、派遣労働者を取り巻く環境が、大きく変化しようとしている。

 ディップ株式会社は4月9日から17日にかけて、派遣会社225社を対象に「人材派遣の市況感」と「派遣法改正による影響」に関するアンケートを実施し、その結果を6月16日に発表した。

 まず、2013年度と比較した2014年度の派遣労働者需要について聞いたところ、66.7%の派遣会社が「増加した」と回答した。「減少した」は25.5%、「横ばい」は7.8%。1月にも同様の調査は実施されており、その際にはリーマンショック前と比較した2013年度の派遣労働者需要について聞いている。それによると、68.4%が「増加した」と回答。派遣労働者の需要は継続して高まっているようだ。

 一方、2013年度と比較した2014年度の広告費について聞いたところ、54.6%の派遣会社が「増加した」と回答し、「減少した」の24.2%、「横ばい」の21.3%を大きく上回った。また、2013年度と比較した2014年度の求職者の登録数について聞いたところ、57.9%の派遣会社が「減少した」と回答し、「増加した」の34.6%、「横ばい」の7.9%を大きく上回った。

 派遣会社は派遣労働者の需要増加に合わせて募集費用も増加させているものの、人材の確保が難しくなっている。派遣労働者を採用する企業にとってはコスト増につながるが、派遣労働者にとっては待遇の改善と、希望する職業に就くチャンスが期待できる環境になったといえそうだ。

 ただ、気になるのは労働者派遣法改正案(「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案」)の行方だ。国会で審議されていた労働者派遣法改正案は6月19日に衆院を通過したものの、経済界は働き方の多様化が進むとしてこれを歓迎する一方、労働組合側は派遣労働の固定化につながるとして警戒感を強めている。

 現在の法律では派遣労働を臨時の業務ととらえており、一定の業務に携わる派遣労働者の派遣期間が3年を超える場合、正規雇用への切り替えが求められる。しかし、実際には派遣期間の上限で雇い止めになるケースも多く、雇用の不安定化が懸念されている。そこで改正案では、同一業務を3年勤めた派遣労働者が希望した場合には、派遣会社は派遣先に対し正社員になれるよう要請することが義務化されるほか、派遣先がこれを断った場合は派遣会社で無期雇用するか、別の派遣先を紹介しなくてはならなくなる。

 労働者派遣法改正案は、派遣労働者の待遇改善につながる策となるのか。今後の動向に注目が集まる。

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