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1,000円売って儲けは1円? 低迷するスーパー業界、元気印企業は地方にあった

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 全国のスーパーマーケットの売上規模は、ピークの17兆円弱から13兆円に下降。コンビニや量販店に顧客が流失したこともあって販売が低迷しているが、業界に元気印企業は存在しているのか?

低迷するスーパー業界でも光る、地方企業は何をしているのか

 スーパーの低迷は、イオン(8267)傘下のイオンリテール(563店舗)と、セブン&アイ・ホールディングス(HD/3382)の子会社イトーヨーカ堂(181店舗)の経営成績に象徴される。14年度の収支を1,000円の商品販売たとえれば、原価と経費の割合は異なるものの、儲け(営業利益)は両社ともたった1円で、税引後の最終利益は揃って赤字を免れなかった。

1,000円の販売での収支(14年度)

社名 原価 経費(うち人件費) 儲け
ライフコーポレーション (東京・大阪) 705円 276円 (122円) 19円
イズミ (広島) 752円 196円 (83円) 52円
バロー (岐阜) 725円 243円 (126円) 32円
アークス (北海道・北東北) 756円 217円 (約95円) 27円
平和堂 (滋賀) 662円 304円 (約135円) 34円
ヤオコー (埼玉・関東) 684円 272円 (約122円) 44円
オーケー (首都圏) 786円 168円 (約103円) 46円
サンエー (沖縄) 651円 271円 (約94円) 78円
イオンリテール 673円 326円 (126円) 1円
イトーヨーカ堂 740円 259円 (103円) 1円

 その2社に限らず、営業赤字や最終赤字のスーパーが散見されるなかで、1,000円の販売につき78円と業界トップ級の儲けを実現しているのは、沖縄のサンエー(2659)である。

 同社はスーパーマーケットチェーンとして、衣料品なども扱う総合型店舗や食品店舗を中心に展開。マツモトキヨシHD(3088)やエディオン(2730)、東急ハンズ、タリーズコーヒージャパンなどとはフランチャイズ(FC)契約を結び、ドラッグストアや外食店舗も運営。15年2月末現在の総店舗数は80店。ローソン(2651)と合弁でコンビニも手がけており、コンビニの店舗数は、直営2店舗を含め174店舗を数える。

 グループ売上高は1,645億円で、沖縄では南西石油、沖縄電力に次ぐ3位。スーパー以外の店舗展開が功を奏しているのか、他社と比べて原価を低く抑えていることで、毎年のように1,000円につき、70円近くから80円弱の儲けを実現しているといっていいだろう。もちろん、国全体の人口減少とは対照的に、沖縄県の人口が増加していることが、業績にプラスに働いていることはいうまでもない。

 人口減少はすべての業界に影響を及ぼすが、スーパーは特に顕著である。食料品は必需品とはいえ、週に5,000円、月に2万円ほどの買い物客が10人いなくなるだけで、年間売上高が240万円消え去る。100人なら2,400万円、1,000人なら2億4,000万円の売上減である。商圏の人口減少は、スーパーにとっては大打撃なのである。

 そんな人口減少が他地域にも増して深刻化している北海道や北東北を拠点としながら、1,000円の販売で27円という相応の利益を獲得しているのはアークス(9948)だ。 パイの縮小をシェア拡大で補う、というのが同社の戦略。「スーパーアークス」「ビッグハウス」「ユニバース」など319店舗を展開する同社は、青森県と岩手県の有力スーパーを買収するなど、北海道と北東北2県では、3割弱から4割に迫るシェアを実現しているようだ。

 M&A(企業の買収・合併)によるスケールメリットの追求と地域一番店の強化に取組むイズミ(8273)も、毎年のように1,000円の販売で50円を超す儲けを確保。 「今朝採り産直」や「今朝水揚げ産直」など食生活提案型スーパーに磨きをかけているヤオコー(8279)も、スーパー業界においては水準以上の利益を確保する常連だ。同社は23期連続増益中である。

 東京近郊を環状に結ぶ国道16号線の内側を出店地域として店舗展開しているオーケーも、業界平均を上回る利益を確保しているスーパーだ。同社は株式を公開していないが、経常利益に株価が連動する種類株を発行。決算報告書の中で、「『祭り』と称して特売をしていました。安易な道なのですぐに定着しました。ただちに改め、特売は止めます。売上が伸び悩んでいるのは、当然の結果です」といった、他社では見かけることがない表現をすることでも知られる。逆説的になるが「高品質・Everyday Low Price」を経営方針に掲げる以上、特別に特売日をもうける必要はない、というわけだ。

 表にはしていないが、前述のアークスと競い合っているイオン北海道(7512)、それに埼玉県を中心に食品スーパーを展開していてイオンとも資本関係があるベルク(9974)も、1,000円当たり40円を超す儲けを実現しているスーパーだ。

 売上高と仕入高、さらには原価率から計算するとスーパー各社は、全体としては仕入値(原価)の1.3~1.5倍を売値としているようだが、最もうまみのあるのは惣菜である。事実、商品別に粗利率を公表しているスーパーの場合、農産・水産・畜産品の粗利率は20%台だが、惣菜は40%を超す。そうした惣菜部門の充実などを含めて、儲けを拡大するスーパーが今後も出現するのか、注目したい点である。


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