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「量的緩和バブル」の終わりのはじまり

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2015/09/02 12:00

 中国の人民元切り下げをきっかけにした株価下落もひと段落したように見えますが、現状を分析してみると、そうとばかりも言っていられないようです。

近年の世界的な株高は「量的緩和バブル」?

 2008年以降の大規模な金融緩和政策(日本は2013年から)で押し上げられた各国の株価が、中国の人民元切り下げをきっかけに大幅に下落する結果となりました。各国政府の対応で落ちついてきましたが、ここでやれやれと一息ついてしまうのはまだ早いかもしれません。現状を俯瞰してみると、これが「量的緩和バブル」の終わりのはじまりである可能性も高そうです。現在までの株高の背景と過去の巨大バブル時の値動きパターンなどから、暴落への対応を考えてみましょう。

 図1は米日欧のベースマネー(市中に出回る紙幣と金融機関が中央銀行に預けているお金の合計=中央銀行が直接コントロールできるお金)と株価を重ねてみたものです。

 これを見ると、ベースマネーが増えると株価が上がるという関係が特に日米で顕著に見てとれます。米国ではリーマンショック直後の2008年以降、「お金を空からばら撒けば景気が良くなる」という発言から“ヘリコプターベン”と呼ばれたバーナンキFRB議長の下、積極的にベースマネーを増やす量的緩和が行われてきました。その伸びが止まった2014年末頃から米国株も伸び悩んでいます。日本は4年遅れでしたが、量的緩和を主張するアベノミクスが始まってから株価が急伸しました。欧州はユーロ財政危機とドイツ一人勝ちで周辺国は不況に苦しむという偏りがあるものの、やはり量的緩和に株価が支えられていました。2012年に一旦ベースマネーを減らし始めるとドイツ株は伸び悩み、周辺国の不況は深刻になりました。それが2014年末に国債買い入れによる量的緩和再開を決めると、再び株価は急上昇しました。

 日米欧の株高が量的緩和によるものが大きいとすれば、これは「量的緩和バブル」といってよい状況です。本年中に米国で利上げが行われると株価急落が懸念されているのも、ジャブジャブマネーでかさ上げされた株価という背景があるからです。日欧はしばらく株式相場にベースマネーという薪をくべ続けると予想されます。しかし、米国のベースマネー減少が顕著になればいよいよ量的緩和バブルの終焉が近づくことになりそうです。このため、しばらくは米国のベースマネーの変化に要注意といえます。


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