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ネットを使った遠隔医療は進むが、
医師の半数が「参画したいと思わない」

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2016/04/30 14:00

 ネットなどの通信技術を使った遠隔医療は地域の医療格差解消の解決策として期待されている。しかし、参画をためらう医師も多いようだ。

 ネットや通信衛星などの通信技術を用いて、医師が患者に直接対面せずに診断や診察を行う「遠隔医療」は、患者の利便性の向上やへき地などにおける医療の地域格差是正につながると考えられている。各自治体も補助金を交付しており、東京都の「遠隔医療設備整備事業」では、遠隔画像診断や在宅患者に遠隔医療を実施するのに必要なコンピューター機器などの購入に対し、設備整備費の一部が補助されている。

 そんな中、医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピア株式会社は、会員になっている医師4,041名を対象に遠隔医療に関する調査を実施し、その結果を4月15日に発表した。調査期間は3月16日から22日にかけて。

 まず、遠隔医療が進むと思うか聞いたところ、87.9%の医師が「進む」と回答。しかし、遠隔医療は進むとは考えているものの「参画したい」と考えているのは全体の37.0%にとどまり、「参画したいと思わない」の50.9%を下回った。

 遠隔医療が進み、自らも参画したいと考えている医師のコメントを見ると、過疎地など地方の医療や医療の地域格差を是正する対策として期待を寄せる声が多かった。また、皮膚科や眼科、放射線科では既に遠隔診療が行われており、今後も拡大を続けていくと考えていた。

 一方で遠隔医療は進むものの、自らは参画したくないという医師のコメントを見ると、「見落としなどの過誤が発生した場合の責任の所在が不明確」「さらに多忙になることも考えられる」などが目立った。また、「進まない」と回答した医師のコメントには、一部の画像診断などでは進むと考えているものの、「直接対面して患者の表情や声のトーンなどを総合して判断しないと診察は難しい」との考えが多かった。

 遠隔医療は医療の課題を解決する対策として、多くの医師が期待を寄せている。しかし、医療過誤に対する訴訟リスクがあいまいなど課題も多く、自らが積極的にかかわるのをためらう医師も多かった。遠隔医療をさらに定着させるためには、医師が積極的に参加できる環境整備が必要といえそうだ。

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