MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

農事組合法人の新設数、前年比70.8%増の750社
2023年目標・5万法人達成には一層の改革が必要か

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2016/06/25 22:00

 政府は6月2日に閣議決定した「日本再興戦略2016」の中短期工程表「攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化」の中で、2023年までに農業の法人経営体数を2010年比約4倍の5万法人を目指す方針を示した。

 東京商工リサーチは6月15日、「農事組合法人」の新設法人調査の結果を発表した。農事組合法人は農業経営ができる法人形態の1つで、農作業の共同化や施設の共同利用など協業を目的に、原則として農家の人が組合員になって構成されている。農事組合法人ができる事業は、農業の経営や農業に関する共同利用施設の設置、農作業の共同化に関する事業など、農業に関連したものに限られている。農事組合法人の設立手続きは他の法人格より容易で、諸経費も低いなどのメリットがある。

 発表によると、2015年(1月~12月)に全国で設立された農事組合法人の数は前年比70.8%増の750社で、調査を始めた2009年以降で最多を記録した。農事組合法人の新設数を都道府県別にみるとトップは富山県の73社で、前年の26社から大幅に増加した。以下は、福岡県の44社、岩手県の43社、滋賀県の43社、佐賀県40社と続いた。また、東北地方と九州地方(沖縄県除く)の農事組合法人の新設数はともに152社で、東北と九州だけで全体の40.5%を占めた。

 農業経営ができる法人形態には会社法人もある。会社法人は農事組合法人と異なり農業に関連しない事業も行うことができるほか、農家の人以外でも構成員にすることができる。農林水産省が4月に発表した一般企業の農業の参入状況は、平成27年12月末時点で2,039法人だった。法人が農業に参入するにはさまざまな条件を満たさなくてはならないが、平成21年12月には改正農地法が施行され、一般法人が農業に参入しやすくなった。農林水産省によると、改正農地法が施行される平成21年12月までに農業に参入した法人数は436社、1年あたりの平均参入件数は65社だったが、農地法の改正以降は1年あたりの平均参入件数が340社に増えた。

 政府の取り組みの成果もあって農業への法人参入が増えているものの、今のペースのままでは目標達成は難しそうだ。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の発効で誕生する巨大な農業マーケットに攻め込むには、さらなる構造改革が必要といえそうだ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク


All contents copyright © 2007-2021 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5