屋外で宿泊するための道具である「テント」。夏ともなれば、キャンプで1泊と使う人も多いだろう。かつては登山家など限られた人向けの商品だったが、いまは様変わりし、アウトドアライフを愛する幅広い層の人たちに愛用されるようになった。そして、従来の機能性とは異なる分野で個性をアピールする商品が増えている。
子ども時代の思い出である“秘密基地”で遊ぶようなドキドキ、ワクワク感覚が蘇るテントが2つある。ひとつは浮遊感覚たっぷり。それもそのはず、スノーピーク(本社:新潟県三条市)の「スカイネスト」は、ハンモックスタイルのテントだ。2本の木にテープを取りつけ、テント本体を吊す。緩やかな風を感じ、心地よい揺れが楽しめるのが特徴となっている。同テントの耐荷重は100キロまで。価格は15万8,000円(税別)。ただし人気商品のため、本記事作成時点でスノーピークのウェブサイト上では、「在庫がありません」と表示されている。
それらをつなぐ中央のミーティングスペースで構成されている十字型のテント

もうひとつのテントは独特のフォルムをしている。それが世界初のスタイルとなる十字型のテント「クレイジーエックス(ビーズ/本社:大阪府東大阪市)」。寝袋を膨らませたような4つのパーソナルスペースと、それらをつなぐ中央のミーティングスペースで構成されたテントだ。設営、撤収はワンタッチで実に簡単。パーソナルスペースが確保できるので、一般的なテントより快適だという。またテントに高さがない分、風の影響も受けにくい。設営のスペースにある程度の広さが必要なので、本格的な登山には向かないかもしれないが、こちらの人気もなかなかのものとなっている。価格は1万8,000円(税別)。収容人数は4名。
先進的なインクジェット印刷技術を用いてフライシート全面に色鮮やかにプリントしている

視覚的なインパクトが大きいテントもある。イギリスのテントブランドである「FIELD CANDY(フィールド・キャンディー)」は、遊び心満載のデザインで、いま注目されているテントだ。特徴は、見た目がとにかくユニーク。例えば「What a Melon(3万5,800円・税込、2、3人用)」は、テント全体にスイカの断面がプリントされている。他にも、レンガ小屋やカップルの仲睦まじいシルエットなど、とにかく斬新なものばかりだ。ベースとなっているのは昔ながらの三角テントだが、耐水性や強度など、テントとしての性能はかなりのハイスペック。テントとしても本格派な作りとなっている。
自然の中で話題の新感覚テントに1泊すれば、日ごろの緊張感から解放されて、心身ともにリラックスできそうだ。