コンビニを支える「中食」企業
1974年のセブン‐イレブン初出店から40余年。コンビニ店舗はすでに5万を超え、売上規模は10兆6000億円に迫るまでになった。通信やネット業界とともに数少ない成長産業として、国内経済をけん引してきたといっていいだろう。
市場規模の拡大とともに、日本ハム(2282)やプリマハム(2281)、ハウス食品グループ本社(2810)などの大手食品メーカーも、コンビニ向け専用工場を手がけるようになってきたが、当初からコンビニに弁当やおにぎり、サンドイッチ、惣菜などを供給してきたのは、外食と内食(自炊)の中間を意味する「中食」企業が中心だった。
上場企業のわらべや日洋ホールディングス(2918)、カネ美食品(2669)、シノブフーズ(2903)の3社を確認してみよう。
セブン‐イレブンとともに歩んできた「わらべや日洋HD」
わらべや日洋ホールディングス(HD)は、1978年に取引を開始したセブン-イレブン・ジャパン向けが現在では売上高の75%を占めており、セブン-イレブンとともに歩んできた。それどころか、自前の食品製造工場を持たないセブン-イレブン・ジャパンは、北陸や北東北、四国などでは、わらべや日洋HDの工場の新設を待って、出店してきたといっていい。工場新設に投じた金額は北陸工場は30億円、岩手工場は20億円である。

ハワイのセブン-イレブンへは、米飯類を現地で製造供給してすでに35年経つほか、近年ではインドネシアにも進出するなど、海外セブン-イレブンとの関係強化にも着手。米国テキサス州のセブン-イレブン向けにサンドイッチなどを供給している、プリマハムの子会社にも資本参加した。
コツコツと売上高を伸ばしてきたわらべや日洋HD。ただし、儲けは地味である。会社全体の収支を1000円の製品販売にたとえれば、原価は860円内外、経費は120円台で、儲けは15円から21円といったところだ。同じ計算をすれば、1000円につきおよそ300円の儲けがあるコンビニ本部、セブン-イレブン・ジャパンとは対照的である。
従業員の平均給与は、給与・賞与の支給総額が増額で推移していることもあって上向き傾向を示しており、15年度は500万円台に乗っている。