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セルロースナノファイバー、国内の生産能力が拡大
製紙メーカーを中心に実用化への動きが加速

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2017/10/07 14:00

 軽くて強度も高い「セルロースナノファイバー」の研究が進み、製紙会社を中心に実用化に向けた動きが加速している。

 矢野経済研究所はセルロースナノファイバーメーカーなどを対象に「セルロースナノファイバー市場動向に関する調査」を実施し、その結果を9月25日に発表した。調査時期は5月から7月にかけて。

 セルロースナノファイバーは、植物細胞を構成するセルロース繊維をナノレベルまで細かくしたもので、重量は鋼鉄の約5分の1の軽さであるにもかかわらず、強度は鋼鉄の約5倍もある。さらに、熱にも強く、プラスチックよりも軽くて透明材料にもなるという特徴がある。

 セルロースナノファイバーの研究は1990年代半ば頃から大学や研究機関を中心に始まり、2000年代には製紙メーカーによりサンプルワークが始まった。昨年からは参入メーカーのパイロットプラントや商業生産を目的とした量産プラントの稼働も始まり、調査結果によると2017年末時点の国内におけるセルロースナノファイバーの年間生産能力は、2016年末時点の200トンを大きく上回る880トンが見込まれている。

 同社によると、現在、セルロースナノファイバーを使用した製品はボールペンインク、紙おむつ、ペーパークリーナー、ヘッドフォンステレオ振動板など一部の製品にとどまっており、生産量の多くはサンプル供給に使われているという。

 そんな中、製紙メーカーを中心に、セルロースナノファイバーの実用化に向けた動きが加速している。日本製紙株式会社は9月26日、江津工場で進めていたセルロースナノファイバー量産設備の建設工事が計画通りに完工し、稼働を開始すると発表した。年間の生産能力は30トン以上で、食品・化粧品向けの添加剤用途の開発を加速させる。同社は4月に石巻工場で年間生産能力500トンの量産設備を稼働させ、機能性シートや機能性添加剤など幅広い工業用途での利用を進めているほか、6月には富士工場でもポリエチレンやナイロンなどの樹脂に混練して強度を付加した、セルロースナノファイバー強化樹脂の実証生産設備を稼働させ、補強材料としての用途開発を進めている。

 平成25年3月からセルロースナノファイバーのサンプル販売を行っている中越パルプ工業株式会社は、川内工場に建設していたセルロースナノファイバーの量産化に向けた第一期商業プラントを、6月から稼働させた。年間生産能力は100トンで、樹脂化を行うための設備を順次稼働させる予定。

 また、大王製紙株式会社はセルロースナノファイバー成形体のサンプル提供を、8月から開始した。強度や耐熱性を必要とする自動車部材、建材、家電筐体、電子基板など、これまでプラスチック材料が利用できなかった分野での事業化を進めていく。

 セルロースナノファイバーの原材料となるセルロースは、森林の多い日本には豊富にある。セルロースナノファイバーの本格的な実用化が進めば、国内はもちろん海外への輸出も大きく増える可能性がありそうだ。

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