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米国のイールドカーブから米国景気の先行きを探る

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2017/12/01 10:00

 直近の米国のイールドカーブは徐々にフラット化が進んでいます。直近の状況を確認しながら、今後の投資戦略について考えてみましょう。

米国のイールドカーブは徐々にフラット化が進んでいる

 米国では長期金利よりも短期金利の上昇が目立っていますが、これはFRBによる追加利上げが意識されているためだと考えられます。長期金利は短期金利を上回るのが一般的ですが、短期金利が長期金利を上回る、いわゆる「逆イールド」の状況になると注意が必要です。直近の米国のイールドカーブの状況について確認するとともに、今後の投資戦略について考えてみました。

※グラフをクリックすると拡大します。

 図1は米国債のイールドカーブです。イールドカーブは米国債の各年限の利回りを線で結んだものです。例えば図1の赤色の線は、2017年11月30日時点で満期まで残り1ヵ月の国債の利回りが約1.2%、残り3ヵ月の国債の利回りが約1.3%、残り6ヵ月の国債の利回りが約1.5%……残り10年の国債の利回りが約2.4%となっていた利回りを結んだものです。通常、イールドカーブは国債の残存期間が長くなるほど利回りは上昇する傾向にあるので右肩上がりの形状をしています。

 イールドカーブを見る上で重要なポイントは、イールドカーブの形状が経済動向に応じて変化することです。長期金利が短期金利に比べて大幅に高い状況では、イールドカーブの傾きが急となり(スティープ化)、逆に長期金利と短期金利の差が縮小する状況ではイールドカーブの傾きは緩やかになります(フラット化)。また、ごく稀に短期金利が長期金利を上回り、右肩下がりのイールドカーブとなることもあります。これが「逆イールド」と呼ばれる現象です。

 国債の利回りは、国債が値下がりすると上昇し、国債が値上がりすると低下する関係にあります。一般的に、米国景気の先行きに楽観的な投資家が増えると、保有する長期国債を売却して株式を買う動きが出てくるので、国債の売却によって10年あたりの長期ゾーンを中心に利回りが上昇すると考えられます。短期金利に変化がなければイールドカーブがスティープ化することになります。逆に米国景気の先行きに悲観的な投資家が増えると、保有する株式を売却して長期国債を買う動きが出てくるので、国債の買付により10年あたりの長期ゾーンを中心に利回りが低下すると考えられます。短期金利に変化がなければイールドカーブがフラット化することになります。

 図1では6ヵ月前からのイールドカーブの変化を見ることができますが、5年以上の長期ゾーンで3ヵ月前にいったん利回りが低下し、直近では再び6ヵ月前の水準に戻ってきていることがわかります。3ヵ月前は株式よりも米国債が選好され、直近では再び米国債よりも株式が選好されたと解釈できそうです。一方、2年以下の短期ゾーンでは一貫して利回りが上昇しており、米国債のイールドカーブは徐々にフラット化していることが分かります。


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著者プロフィール

  • 小野田 慎(オノダ マコト)

    eワラント証券 投資情報室長。一橋大学法学部卒業後、大和証券投資信託委託に入社、投資信託の開発業務に携わる。2005年からイボットソン・アソシエイツ・ジャパンにて金融機関向けのコンサルティング、企業等の評価に用いる資本コストの分析業務、投資信託の定量評価、現代ポートフォリオ理論に基づいたアセット・アロケーション(資産配分)に関する投資助言を行う。ゴールドマン・サックス証券を経て2011年8月より現職。ポートフォリオ構築の専門家としての経験を活かし、幅広い資産の分析を行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

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