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経産省が「水素基本戦略」策定
水素燃料市場は2030年度に1,446億円まで拡大予測

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2018/04/07 14:00

 普及に向けて動き始めた水素燃料市場は、燃料電池車や水素発電が本格化する2030年には大きく成長する可能性がありそうだ。

 日本は世界に先駆けて、水素社会を実現するために取り組んでいる。昨年12月には「第2回再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議」が開催され、「水素基本戦略」が決定された。

 水素基本戦略の概要によると、2030年頃の商用化に向けて2020年代半ばまでに商用化実証を実施し、液化水素サプライチェーン開発を目指す。水素利用については、商用規模のサプライチェーンが構築される2030年には年間30万トン程度の水素を調達し、コストを1ノルマルリューベ(0℃・1気圧の標準状態に換算した1立方メートルのガス量)あたり30円程度にし、将来的には20円までの低コスト化を目指す。

 水素の電力利用では、2030年には年間30万トン程度を調達し、1キロワット時あたり17円まで低コスト化させる。将来的な水素調達量は年間500万~1,000万トン程度を目指し、既存の液化天然ガス(LNG)火力発電と同等のコスト競争力を目指すなどとしている。

 水素社会に向けて動き始める中、株式会社富士経済は水素燃料関連の国内市場を調査し、その結果を「2018年版 水素燃料関連市場の将来展望」にまとめ、3月23日に発表した。

 燃料電池車(FCV)の普及に先行して2014年度から始まった商用の水素ステーション(ST)の整備は、2017年度末で累計100カ所に到達するとみられている。STの新設は進んでいるものの、整備や運営にかかるコスト回収が課題となり、2016年度から2017年度の新設件数は2015年度の半数を下回った。しかし、3月に自動車メーカーやST事業者などが、共同でSTの本格整備に向けた新会社を設立したことから今後は増加するとみられ、2030年度には新設件数が100件を超えるとみている。また、FCVの普及も本格化し、STの運営自立化も可能になると予測している。

 水素燃料市場は、2017年度の5億円から2030年度には1,446億円まで拡大すると予測。水素燃料はFCVのほか、2020年の東京五輪に向けて導入される予定の燃料電池バス(FCバス)や燃料電池フォークリフト(FCFL)で導入が進んでいる。これらFCV向けの水素燃料市場規模は、2017年度の3億円から2030年度には373億円まで拡大する見込みだ。一方、水素発電は2018年から水素発電プラントの実証運転が開始され、2020年度以降は水素発電プラントの運転が本格的に開始される。これら水素発電向けの水素燃料市場規模は、2017年度の1億円から2030年度には1,008億円まで拡大すると予測されている。

 水素燃料の普及には課題も多いが、エネルギーを海外からの輸入に頼る日本にとっては、その解決策の一つになる可能性もあり、今後の動向に注目が集まる。

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