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酒類販売業者の倒産23.1%増、4年ぶりに増加
安売り禁止の改正酒税法やビール離れも影響か

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2018/06/23 14:00

 改正酒税法の施行で酒類の卸価格が上昇する一方、消費者のビール離れも進み、居酒屋を中心に酒類販売業者の倒産は増加傾向にあるようだ。

 帝国データバンクは6月8日、酒類販売業者の倒産動向調査の結果を発表した。調査では「酒類卸」「酒類小売」「居酒屋」を酒類販売業者と定義し、2017年度(2017年4月~2018年3月)と、改正酒税法が施行されてからの1年間(2017年6月~2018年5月)の倒産動向について集計・分析した。倒産は負債額1,000万円以上で法的整理のみを対象としている。

 2017年度の酒類販売業者の倒産件数は前年度比23.1%増の176件で、4年ぶりに増加した。業種別にみると「酒類卸」が同50%増の12件、「酒類小売」が同33.3%増の32件、「居酒屋」が同18.9%増の132件でいずれも前年度から大きく上回り、特に「居酒屋」は東日本大震災発生直後でピークとなった2011年度の140件以来の水準となった。

 酒類販売業者の倒産が増加する背景には、2017年6月に施行された改正酒税法の影響が指摘されている。改正酒税法は継続的に総販売原価を下回る価格で販売することやリベートの一部規制など、行き過ぎた廉価販売を規制するのが目的の1つ。そのため、今年の春にはビールメーカー各社が業務用を中心に、ビール系飲料の値上げを行うなど、厳しさを増す経営環境が懸念されていた。その影響からか、改正酒税法の施行から1年間(2017年6月~2018年5月)の酒類販売業者の倒産件数は、前年同期比16.7%増の182 件となった。内訳は「酒類卸」が13件(前年同期5件)、「酒類小売」が38件(同27件)、「居酒屋」が131件(同124件)で、すべての業態で増加した。

 一方、ビール酒造組合が1月16日に発表した「ビール市場動向レポート」によると、ビール大手5社が2017年(1月~12月)に出荷したビールの総出荷数量は259万111キロリットルで、前年から2.9%減少。内訳は国産が同2.9%減の258万5,417キロリットル、輸入が同6.0%減の4,694キロリットルだった。

 同日、発泡酒の税制を考える会が発表した「発泡酒市場動向レポート」によると、ビール大手5社が2017年(1月~12月)に出荷した発泡酒の総出荷数量は69万6,171キロリットルで、前年から4.0%減少している。

 行き過ぎた廉価販売を規制する改正酒税法の影響で、酒類の卸売価格は上昇傾向にある。その一方で、消費者のビールや発泡酒などの消費量は減少傾向にあり、酒類販売業者の経営環境は厳しくなりつつあるようだ。

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