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有価証券の15%を認知症患者が保有することになる? 金融庁「高齢社会における金融サービスのあり方」発表

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2018/07/10 09:00

 金融庁は、進行する高齢化、退職世代を取り巻く状況の変化を踏まえて、識者や業界関係者などにヒアリングを行い、とりまとめたレポートを発表した。

進む高齢化と高まるリスク

 金融庁が7月3日に発表した「高齢社会における金融サービスのあり方(中間的なとりまとめ)」は、高齢社会における金融サービスのあり方を検討するために現状とリスクを分析し、基本的な考え方を示すもの。

 それによると、現在60歳の人の約4分の1が95歳まで生きるなど長寿化が進展する中で、高齢の各世帯が保有する金融純資産は過去20年間横ばいとなっている。また、家計金融資産の約3分の2を60歳以上の世帯が保有するなど、資産の高齢化が進んでいる。

 こうした状況から、以下のようなリスクが考えられる。

●資産寿命が生命寿命に届かないリスク
長生きした場合、貯蓄を全て取り崩し、公的年金のみによって生活する世帯が増加

老後不安による過度な節約
十分な備えがある世帯であっても、老後の収入・支出が見えない不安から、資産の計画的な取り崩しが進まない

地方から都市部への資産の流出の加速
高齢者が地方で形成した資産が、相続を契機に都市部で生活する相続人へ移転

家計の資産構成の硬直化
認知能力、判断能力の低下等により、資産構成を状況に応じて効果的に変更できない

「認知能力の低下」などにどう対処するのか

 高齢化によるリスクには、有価証券保有者の認知能力の低下もある。2035年には有価証券保有者のうち70歳以上の割合が50%となり、65歳以上の認知症患者の割合も最大で3人に1人となる可能性がある。その場合、有価証券全体のうち、15%を認知症患者が保有することにもなりうる。

 退職世代などの現状としては、未婚率の上昇、夫婦と子供から成る世帯の比率や持ち家比率の低下がある。また、非正規雇用比率の上昇、60歳代の就業率の上昇、退職給付額の減少も見られる。この世代は、故郷で生活したい、生活コストの低いところに住みたい、医療・交通環境が整っているところで暮らしたいといった多様なニーズがあり、大都市から地方都市や郊外への移住、利便性の高い都市部への移住など、居住地の選択が多様化している。

 こうした現状を踏まえて、レポートでは、高齢社会における金融サービスの考え方として次の3つが重要だとしている。すなわち、B to CからC to Bへのビジネスモデルの転換、ファイナンシャル・ジェントロジー(金融老年学)といった知見の活用、「見える化」を通じたより良い商品・サービスの選択、である。

 今後の金融サービスの検討にあたって、以下の視点から具体的な指摘もまとめられている。

・就労・積立・運用の継続による所得形成
・資産の有効活用・取崩し
・長生きへの備え、資産承継
・高齢者が安心して資産の有効活用を行うための環境整備

 このうち所得形成については、つみたてNISAが長期・分散・積立の投資の手段として継続的に機能していくよう20年間という投資期間が確保されることや、若年世代から退職後まで一貫した資産形成につながる制度の整備が求められるのではないかといった指摘がなされている。

 

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