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「逆ざや」の銀行は16行、「利ざや」が最も高かったのは統合が進む九州21行

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2018/09/06 13:00

 東京商工リサーチの調査によると、マイナス金利政策の導入で、2017年には逆ざやの銀行は調査開始以来最悪の20行となったが、2018年3月期決算では16行となっている。

マイナス金利で銀行の収益が低迷

 銀行の「総資金利ざや」とは、貸出金や有価証券で稼ぐ資金運用利回りから、預金や債券、コールマネー、借用金などの資金調達コストを差し引いた数値で、銀行収益を示す指標のひとつ。数値のプラスは資金運用で収益を上げ、マイナスは「逆ざや」で貸出や運用で利益が出ていないことを示している。

 東京商工リサーチは8月8日、銀行112行の「2018年3月期決算総資金利ざや」調査結果を発表。日銀のマイナス金利政策の影響を受け、軒並み厳しい収益状況となっており、112行の「総資金利ざや」は、資金調達が運用よりも金利が高くなる「逆ざや」が調査を開始以来、2番目に多い16行(前年同期20行)となった。内訳は、大手銀行3行、地銀6行、第二地銀7行。

 これまで「逆ざや」は、2009年が3行、2010年が1行、2011年が2行、2012年が8行、2013年が12行、2014年が8行、2015年が11行、2016年が12行と推移していた。しかし、マイナス金利政策が導入された2017年は20行に急増し、銀行の本業収益の深刻な低迷を反映した。

「総資金利ざや」の中央値

 2018年3月期決算での「総資金利ざや」の中央値は0.15%で、前年同期(0.13%)を0.02ポイント上回り、一服したが、これは主に有価証券の受取利息や配当金の増加で上昇した「有価証券利回り」が寄与したもので、金利収入の中心である「貸出金利回り」の低下は続いている。

 調査を開始した2009年の総資金利ざやの中央値は0.28%。その後、年々低下を続け、2015年(0.17%)にはじめて0.20%を割り込んだ。2016年は投資信託の配当増、保有投信の解約益などが寄与して横這いだったが、マイナス金利実施後の2017年は、総資金利ざやの落ち込みが目立った。こうした中で2018年は調査を開始以来、はじめて前年同期を上回った。

地区別では、九州21行が最高の0.27%

 地区別で「総資金利ざや」が最も高かったのは、地銀・第二地銀の統合連携が進み、預貸率が高い九州21行の0.27%。次いで、中国9行0.24%、四国8行0.18%、関東19行0.16%、北海道2行と近畿11行が各0.13%と続く。前年同期比では、10地区のうち、5地区で前年同期より上昇した。

 中国の0.08ポイント上昇(0.16→0.24%)を筆頭に、北海道0.03ポイント上昇、東北・近畿・九州の各0.01ポイント上昇と続く。しかし、東京(▲0.02→▲0.04%)と関東(0.17→0.16%)の2地区だけが前年同期より縮小し、中部・北陸・四国が前年同期と同率だった。

 銀行は安定的な経常収益である貸出金利息の上昇が難しい。このため、投信などの手数料収入やコンサルタント業務など、非金利収入を新たな収益源に育てることが急務になっている。

【調査概要】

※本調査は、銀行112行を対象に、2018年3月期決算で国内業務部門ベースでの「総資金利ざや」を調査した。総資金利ざやは、「資金運用利回」-「資金調達原価」で算出した。基礎資料は、有価証券報告書や決算短信、ディスクロージャー情報の利ざや(国内業務部門・単体)の項目から抽出した。

※三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、みずほ信託銀行の信託銀行3行は調査対象から除外している。

※文中の▲は、マイナスを表す。

 銀行は安定的な経常収益である貸出金利息の上昇が難しい。このため、投信などの手数料収入やコンサルタント業務など、非金利収入を新たな収益源に育てることが急務になっている。

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