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機械学習によるアルファ創出、アジアで最も進んでいるのは日本

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2018/09/26 08:00

 投資シグナルの生成に機械学習を活用する取り組みに関して、日本企業はアジアの中でも実用化が進んでいることがブルームバーグの調査で明らかになった。

いち早く実用化している日本

 ブルームバーグが、香港、ムンバイ、東京、シンガポール、シドニーを拠点とするトレーダー、ポートフォリオマネジャー、アナリスト、市場データの専門家など市場関係者450人を対象に実施した調査の結果、機械学習を活用したアルファ創出において、日本の企業がアジアで最も進んでいることが明らかになった。日本はまた、リアルタイムデータやファンダメンタルズ、あるいはニュースやソーシャルメディアといったセンチメントデータなど、多様なデータセットを投資戦略に用いている。

 ここでいう機械学習とは人工知能の一種であり、プロセスの自動化と効率性向上の手段として、データをもとに自主的に「学習する」ことをコンピューターシステムに教えることに特化したもの。

 東京の回答者140人のうち半数以上が、投資シグナルの生成に機械学習を「使い始めた」と回答。シドニー(53%)、シンガポール(52%)、ムンバイ(70%)では、回答者の大多数が投資戦略における機械学習の活用について「調査している」または「検討を開始したばかり」という回答だった。

アルファ獲得を目的とした機械学習の活用

 競争の激化や成長の鈍化、手数料への圧力の高まりによる差別化の必要から、アクティブ、パッシブ、クオンツ、ファンダメンタルズ、従来型、オルタナティブなど様々な運用マネジャーが、アルファ獲得を目的とした機械学習の活用に注目している。

 ブルームバーグの調査では、多くの回答者がリアルタイムデータを活用(シドニーで45%、日本で43%、シンガポールで35%)。次いで、ファンダメンタルズ(企業業績や証券価格)、ニュースやソーシャルメディアから得られるセンチメントデータが用いられている。

 投資家は、有用な新しい投資シグナルを見つけるために、新たな手法を用いた代替のデータセットにこれまで以上に着目。分析に利用できる膨大なデータセットは、市場や経済に関する基本データから、ソーシャルメディアから得られるデータ、衛星画像、書面の文書、天気予報まで多岐にわたっている。

「データが足りない」

 機械学習技術を導入する上での大きな課題として調査対象者が挙げたひとつに、質の高いデータの不足がある。企業側は標準化されたフォーマット、すなわちデータ分析をしやすい「きちんと整理された書式」でのデータを望んでいる。

 データの分断化は企業内に矛盾や不整合をもたらし、結果的に組織は不要なリスクやコストにさらされる。単一のアクセスポイントから信頼できるデータを得ることで、新たな品質基準が生まれるだけでなく、企業全体における利益に対する価値感の統一化が加速的に改善するとしている。

 ブルームバーグは先ごろ、顧客が大量のデータセットを検索・活用するのをサポートし、モデル化や視覚化が容易にできるウェブベースのデータ配信プラットフォームである「ブルームバーグ・エンタープライズ・アクセス・ポイント(BEAP)」を発表している。

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