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信用金庫、13.9%が「逆ざや」で利益出ず
貸出先は「不動産業」が最多

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2018/10/28 08:00

 信用金庫は不動産業を中心に貸出を増やしているものの、利ざやは低下している。不動産市場の動向によってはさらに業績が悪化しそうだ。

「総資金利ざや」の中央値は0.08%

 東京商工リサーチは2013年3月期本決算から6期連続で総資金利ざやが判明した主要151信用金庫を対象に、2018年3月期の総資金利ざやについて調査を実施し、その結果を10月9日に発表した。

 総資金利ざやは貸出金や余裕金等の運用収益力を表す「資金運用利回り」から、預金などの資金調達コストを示す「資金調達原価率」を差し引いた数値で、経営効率や収益力を判断する指標の1つになっている。総資金利ざやがプラスだと資金運用で収益を上げ、マイナスは「逆ざや」で貸出や運用で利益が出ていないことを示す。

 2018年3月期の「総資金利ざや」の中央値は前年同期と同率の0.08%で、2013年に調査を開始してから2年連続で最低にとどまった。前年との比較では、総資金利ざやが「拡大」したのは59信用金庫(構成比39.0%)で、66信用金庫(同43.7%)が「縮小」、26信用金庫(同17.2%)が「変わらず」だった。

 総資金利ざやの分布状況は、「0.0%以上0.1%未満」が65信用金庫(構成比43.0%)で最も多く、「0.1%以上0.2%未満」が34信用金庫(同22.5%)で続いた。また、総資金利ざやがマイナスの「逆ざや」は、21信用金庫(同13.9%)で、前年同期の23信用金庫より減少したものの、2013年の5信用金庫、2014年の4信用金庫などと比較すると、高水準で推移している。

信用金庫の貸出金、6割は「不動産業」へ

 一方、信金中金 地域・中小企業研究所が公表している「信用金庫統計」の「貸出先別貸出金」を見ると、2018年6月末時点の信用金庫の貸出金合計額は前年同期比2.4%増の70兆7,372億円で、2013年6月末の63兆1,589億円から連続して前年同期を上回った。また、2018年6月末時点の貸出先は、企業向けが前年同期比2.9%増の45兆139億円で全体の63.6%を占め、個人向けが同1.3%増の20兆1,557億円(構成比28.4%)、地方公共団体向けが同1.7%増の5兆5,676億円(同7.8%)だった。

 企業向け貸出先のうち、業種別で最も多かったのは全体の23.1%を占めた不動産業の16兆3,717億円で、前年同期比で5.1%増の高い伸びを示した。また、不動産業のうち個人による貸家業は同0.7%増の5兆9,126億円で全体の8.3%を占め、地方公共団体向け融資を上回った。そのほかでは、製造業が同0.1%増の6兆348億円(構成比8.5%)、建設業が同3.1%増の4兆8,562億円(同6.8%)だった。

 信用金庫は不動産業を中心に貸出金を増やしているものの、運用で収益を得られない「逆ざや」の信用金庫が高水準で推移するなど、厳しい経営環境におかれている。不動産市場の動向によっては、信用金庫の経営はさらに厳しさを増す可能性もありそうだ。

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