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「消費税増税分はすべて価格に転嫁」54.3%、前回増税時より顕著に

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2018/11/03 14:00

 消費税率を10%に上げる一方で、政府は軽減税率を導入する方針を発表した。しかし、それがプラスに影響するとは見ていない企業は多い。

消費税率10%へ、「軽減税率」が適用されるのは?

 安倍首相は10月15日の臨時閣議で、全世代型の社会保障制度に転換し、同時に財政健全化も進めるため、来年の10月に消費税率を予定通り8%から10%へ引き上げると表明した。あわせて、税率を8%に引き上げた際の経験をいかし、あらゆる政策を総動員して経済に影響を及ぼさないよう全力で対応する方針を示した。

 予定されている消費税増税では、低所得者に配慮する観点から酒類・外食を除く飲食料品と、定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞について、消費税の軽減税率制度が適用される予定。標準税率10%(国分:7.8%、地方分:2.2%)のところ、軽減税率は8%(国分:6.24%、地方分:1.76%)となる。 

 具体的には、牛丼店やハンバーガー店、コンビニなどのテイクアウト商品、そば屋やピザ屋の出前・宅配、寿司屋のお土産、テーブルやイスなどがない屋台での軽食などが軽減税率の対象になるが、店内での飲食やフードコートでの飲食、コンビニのイートインコーナーでの飲食には標準税率が適用される。

消費税増税を企業はどう見る?

 予定される消費税増税でこうした配慮が検討される中、東京商工リサーチは全国の企業を対象に「消費増税に関するアンケート」を実施し、その結果を10月24日に発表した。調査期間は9月14日から30日で、8,298社から有効回答を得た。

 来年の消費税増税について聞くと、47.0%の企業が「予定通り実施すべき」と回答し、「時期を延期して実施すべき」が21.3%、「増税を中止すべき」が28.2%だった。消費税増税後の景気については、57.8%の企業が「景気は悪くなる」と回答し、「景気は現状維持」の37.2%と「景気は良くなる」の1.7%を大きく上回った。

消費税増税で景気はどうなると予想されますか(択一回答)
消費税増税で景気はどうなると予想されますか(択一回答)

 一方、実施が予定されている軽減税率の影響を聞くと、「影響はない」が55.9%で半数を超え、「マイナスの影響がある」は17.4%で「プラスの影響がある」はわずか4.2%だった。「どちらとも言えない・わからない」は22.5%。

軽減税率はどう影響すると思いますか(択一回答)

軽減税率はどう影響すると思いますか(択一回答)

 そこで、軽減税率について想定される影響を複数回答で聞いた。プラスの影響では「軽減税率の実感に伴う消費者の需要喚起」が12.5%で最も高く、「内食商品の需要増」の11.8%が続く一方、「プラスの影響は特にない」と回答した企業は66.7%に達した。

 マイナスの影響では、「複数税率対応のための事務負担増」が53.0%で最も高く、「複数税率に対応したシステムへの買い替え・改修」が37.5%で続き、事務処理の煩雑さが上位に挙がった。「マイナスの影響は特にない」と回答した企業は29.8%だった。

 業種別では、プラスの影響があると回答した情報通信業で、「受発注システムの改修等支援によるシステム刷新」との回答が2割を超えるなど、システム改修による特需を歓迎する声があった。一方、マイナスの影響では、農・林・漁・鉱業で「外食商品の需要減」と回答する企業が3割を超えて他の業種より高くなった。

「増税分を販売価格に転嫁」は54.3%

 今回の消費税増税分の商品・サービスへの価格転嫁について、最多は「増税分すべてを販売価格に転嫁する予定」が4,132社(構成比54.3%)となった。「転嫁しない予定」は1,057社(同13.9%)。

 大企業は「増税分すべてを販売価格に転嫁する予定」が629社(同49.3%)だったのに対し、中小企業は3,503社(同55.3%)と、中小企業が6ポイント上回った。

 大企業・中小企業ともに、前回(2014年)の消費税増税の時より、「増税分すべてを販売価格に転嫁する」が増加している。特に、中小企業は8.5ポイント増とその傾向が顕著になっている。東京商工リサーチは、買いたたきや減額が禁止されたほか、中小企業の転嫁カルテルが認められた消費税転嫁対策特別措置法の施行から5年経ち、一定の効果が出たとみることもできると分析している。

今回の消費税増税(8%から10%へ)の商品・サービスへの価格転嫁を行なう予定ですか(択一回答)

今回の消費税増税(8%から10%へ)の商品・サービスへの価格転嫁を行なう予定ですか(択一回答)

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