ブルームバーグ、中国銀行間債券市場へのアクセス環境がまもなく完成
ブルームバーグは、適格投資家に中国銀行間債券市場(CIBM)へのアクセスを提供する計画が数週間以内に完了することを発表した。

中国債権市場へのアクセスを提供
ブルームバーグは今回、ブルームバーグの端末を通じて適格投資家に中国銀行間債券市場(CIBM)へのアクセスを提供する計画を数週間以内に完了すると発表した。
これは中国外国為替取引システム(CFETS)との広範囲な連携の一環で、市場規模が12兆ドルに上る中国債券市場をめぐり同国が進めている、中国市場への海外資金の流入を促すための改革策に沿ったもの。
中国人民銀行のデータによれば、海外投資家による中国国内の債券保有額は過去12カ月(2018年9月末時点)で58%増加し、1兆7,500億元(2,510億ドル)となっている。
債権投資家のワークフローを網羅
2010年以降、世界の投資家はCIBM Directを通じて中国銀行間債券市場に参加可能となっているが、海外適格投資家は取引と決済を国内の代理銀行に委託する必要があった。2017年にはBond Connectの提供が開始され、海外投資家は国際的な電子取引プラットフォームからCFETSへリクエスト・フォー・クォート(RFQ)を出すことが可能になっている。
ブルームバーグは今回、CFETSと連携し、CIBM Directスキームのもと、中国の債券市場に参加する投資家へ新たな取引のためのコネクティビティーサービスを提供。これによって、海外の適格投資家と関連する国内の代理銀行は、ブルームバーグのヴォイス・コンファメーション機能(VCON)を通じてCFETSの取引システムとの取引内容の確認や連絡を効率的に行うことが可能になる。
この連携によって、ブルームバーグを通じたBond Connectへのアクセスも可能になる。Bond Connectは、各規制当局の事前承認を前提に、香港、シンガポール、米国といった世界各国の市場に参加する投資家に同サービスへのアクセスを提供することを目的としている。ブルームバーグの債券取引執行管理システム(TSOX)とCFETSを接続することで、海外投資家にBond Connectへの新たなアクセスルートを提供する。
ブルームバーグは昨年、中国債券市場に関する高度な債券分析ツールである「Bloomberg's RMB Bond Suite」を立ち上げており、今回の発表により、データへのアクセス、投資機会の分析、取引の執行という海外の債券投資家が必要なワークフローがすべて網羅される。
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