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美容室の施設数、平成29年度末に1.7%増も
小・零細企業厳しく、倒産が過去10年で最高ペース

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2018/12/22 14:00

 美容室は新規参入しやすいことから店舗数が増え続けている。その一方で低価格化や割引で体力を消耗し、小・零細中心に倒産も増えている。

 厚生労働省が10月25日に発表した「平成29年度衛生行政報告例の概況」によると、平成29年度末の美容所の数は24万7,578施設で、前年度末比で4,218施設増加(1.7%増)した。平成に入ってからの美容所数は平成元年度末が18万5,452施設で、平成10年度末に20万施設を超えて20万1,379施設になった。美容所数はその後も増加を続け、平成27年度末には24万施設を超えて推移している。

 一方、平成29年度末の理容所数は12万965施設で、同1,574施設減少(1.3%減)した。平成に入ってからの理容所の数は平成元年度末が14万4,522施設で、平成16年度末に14万施設を下回って13万9,548施設になった。理容所数はその後も減少を続け、平成25年度末には13万施設を下回って推移している。

 美容師法によると、美容とは「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」で、「美容師法に基づいて厚生労働大臣の免許を得たものが美容所にて美容を行う」とある。美容師がコールドパーマネントウェーブなどの一環としてカッティングを行うことは、美容の範囲に含まれる。一方、理容師法によると、理容とは「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」で、「理容師法に基づいて厚生労働大臣の免許を得たものが理容所にて理容を行う」とある。理容師が刈り込みなど理容行為の一環として、仕上げを目的とするコールドパーマネントウェーブを行うことは、理容の範囲に含まれる。

 美容業と理容業は類似の業態だが、施設数の推移については増加を続ける美容業と減少を続ける理容業とで対照的だ。

 一方、東京商工リサーチが12月10日に発表した「美容室の倒産状況調査」の結果によると、1月から11月に全国で発生した美容室の倒産件数は86件で、前年同月比で34.3%増加した。また、今年は11月の段階で前年1年間の倒産件数72件を上回っており、過去10年で最も多かった2011年の91件を超える可能性がある。

出典:プレスリリース
出典:プレスリリース

 倒産した86件の美容室のうち、「個人企業」は48件(前年同期比118.1%増)。従業員別では「5人未満」が77件(同42.5%増)、負債額別では「負債5,000万円未満」が73件(同40.3%増)など、小規模・零細企業の倒産が目立った。これにより負債総額は29億1,600万円で同9.6%増加したものの、平均負債額は3,300万円の小規模にとどまった。負債10億円以上の大型倒産が発生しなかった。

 また、倒産の原因別では「販売不振(業績不振)」が78件(前年同期比41.8%増)で最も多く、倒産の形態別では、事業消滅型の「破産」が79件(同31.6%増)などそれぞれ全体の約9割を占めた。

 美容室は開業時の設備投資が比較的小さく、新規参入が比較的容易なため、店舗過剰を招きやすいと同社は指摘している。そのため低価格化やクーポンによる割引などで顧客を獲得する傾向も強く、小規模・零細企業を中心に厳しい経営環境に追い込まれるケースも多いようだ。

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