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新規賃借理由「業容・人員拡大」が6年連続1位、「賃料の安いビルに移りたい」は調査開始以来最低に

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2018/12/26 09:00

 森ビルは、「東京23区オフィスニーズに関する調査」の結果を発表。積極的な移転トレンドが継続していることが明らかになった。

オフィス需要は拡大傾向

 森ビルが、2003年から毎年実施している「東京23区オフィスニーズに関する調査」は、主に東京23区に本社が立地する企業で資本金上位の約1万社を対象に、今後の新規賃借予定などのオフィス需要に関するアンケートを行うもの。森ビルは12月20日、2018年調査の結果を発表した。調査期間は2018年10月1日~31日。調査対象は10,404社(同社テナントを除く)、有効回答企業数は1,702社(回収率16.4%)。

 新規賃借予定のある企業の割合は27%で、近年増加傾向となっている。その内訳として面積の拡大・縮小割合を確認したところ、「拡大予定」の割合は年々増加しており、今年は新規賃借予定のある企業のうち6割以上(65%)が「拡大予定」となった。

 また、新規賃借を予定する時期については、「1年以内」が34%、「2年以内」が16%となり、1~2年以内に新規賃借を予定している企業の割合は約5割(50%)。面積を拡大予定の企業割合は増加傾向にあり、多くの企業が早期に新規賃借を予定していることから、オフィス需要は拡大傾向にあることがうかがえる。

新規貸借の理由は6年連続「業容・人員拡大」が1位

 新規賃借予定のある企業に新規賃借する「理由」を尋ねたところ、6年連続で「業容・人員拡大(36%)」が1位となった。1位から5位までは昨年と同じ結果であったことに加え、2位の「立地の良いビルに移りたい(32%)」、3位の「1フロア面積が大きなビルに移りたい(27%)」はともに昨年から増加。積極的なオフィス移転トレンドが継続している。

 一方「賃料の安いビルに移りたい(19%)」は7位となり、2年連続ランクダウンするとともに、調査開始以来、最も低い順位となった。また「事務所の統合(7%)」が昨年から7ポイント減少した。オフィス空室率は過去最低水準まで低下しており、まとまった規模のオフィスを確保することが困難な状況にあることが推測される。

 また、新規賃借する場合の希望エリアは、東京駅周辺や新橋・虎ノ門など、今後街の魅力向上が期待されるエリアが上位にランクインしている。

 現在の賃料と新規賃借する場合の妥当賃料としては、「現在の月額賃料」「妥当だと考える月額賃料」ともに、坪2.5万円以上の価格帯の割合が増加している。2018年の賃料改定状況を見ると、過去1年間で賃料改定があった企業は21%。賃料改定で賃料が増額となった企業の割合は調査以来最大の91%となっている。

オフィス環境と経営課題

 経営やオフィス環境における課題の潮流の変化を確認するため、2015年の結果と比較を行った。現在の経営課題については、2015年と同様に「人材の強化(62%)」が「収益性向上(55%)」「売上・シェアの拡大(45%)」を抑えトップ。労働需給の逼迫化を背景に、優秀な人材確保を優先する状況が継続している。

 また、オフィス環境づくりにおける課題については「効率的なレイアウトによるコストダウン(37%)」が大幅に減少した一方、「社内コミュニケーション強化(37%)」「社員への健康配慮(34%)」が増加した。近年、従業員の多様な働き方の浸透や働きやすい環境づくりの重要性が高まっており、人材にフォーカスした経営、オフィスづくりが進展している様子がうかがえる。

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