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外国人の在留資格拡大に企業の76.3%が「賛成」
一方で治安を不安視する声や低賃金雇用など課題も

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2019/01/19 18:00

 改正出入国管理法が4月から施行される。外国人の在留資格拡大に多くの企業が賛成する一方で、不安の声や課題も残っている。

 政府が最重要法案と位置づけてきた「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」(改正出入国管理法)が、2018年12月8日の参院本会議で可決・成立し、同月14日に公布された。一部の規定を除き、4月1日から施行される。

 改正出入国管理法では新たな在留資格「特定技能」を2段階で設け、不足する人材の確保を図るべき産業分野で「相当程度の知識又は経験を要する技能」を持つ外国人に「特定技能1号」を与える。さらに、熟練した技能を要する業務に従事する外国人に「特定技能2号」が与えられ、配偶者や子どもなどの家族の帯同も認める方針で、事実上の永住も可能になる。

 また人手不足が解消されるなど、特定技能外国人の受入れの一時停止が必要となった場合の措置や、特定技能外国人の報酬額が日本人と同等以上になるように受入れ機関に関する規定を整備する方針なども盛り込まれている。そのほかでは、外国人の受け入れや在留管理を担う出入国在留管理庁も設置される。

 一方、東京商工リサーチは全国の企業を対象に「外国人雇用に関するアンケート」を実施し、その結果を2018年12月25日に発表した。調査期間は2018年11月21日から12月4日で、1万353社から有効回答を得た。

 外国人の在留資格の拡大について意見を聞くと、「賛成」が76.3%で「反対」の23.7%を大きく上回った。雇用の拡大を歓迎する企業が多数を占める中、「反対」と回答した企業からは、「治安が悪化すると思われる」(58.7%)、「行政のサポート体制が不十分」(48.2%)、「移民受け入れにつながる」(42.6%)などの意見があった。

 在留資格が拡大したら外国人労働者を雇用したいか聞くと、「雇用したい」が55.3%で「雇用したくない」が44.7%だった。「雇用したくない」と回答した企業からは、「社内の受入体制が整っていない」(58.4%)、「任せられる職務がない・少ない」(47.8%)、「文化の違い」(41.2%)などの意見があった。

出典:東京商工リサーチサイト
出典:東京商工リサーチサイト

 現在の外国人労働者の雇用状況は、「雇用している」が30.3%、「雇用を検討している」が11.5%、「雇用していない」58.2%だった。外国人労働者を雇用している企業に賃金について聞くと、月給で支給している企業(N=2,360社)では「15万円~20万円未満」が25.2%で最も多く、「20万円~25万円未満」(23.9%)、「30万円以上」(22.6%)が続いた。

出典:東京商工リサーチサイト
出典:東京商工リサーチサイト

 一方、時給で支給している企業(N=527社)では「850円~1,000円未満」が41.3%で最も多く、「1,000円~1,500円未満」(26.9%)、「700円~850円未満」(24.6%)が続いた。また、回答を寄せた企業のうち8社は、厚生労働省が定める地域別最低賃金より低い時給で雇用していた。

 多くの企業が外国人労働者の受け入れ拡大に賛成しているものの、治安悪化などを不安視する意見も挙がっている。また最低賃金以下で外国人を雇用しているケースもあり、課題も残っているようだ。

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