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今後5年間で最もシェアを伸ばすブランドは「トヨタ」、「BMW」と「テスラ」が続く

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2019/01/21 14:00

 KPMGインターナショナルは、今回で20回目となる「KPMGグローバル自動車業界調査」の2019年度版を発表した。

 「KPMGグローバル自動車業界調査」は、世界の自動車業界の現状と将来の展望を分析することを目的に、KPMGインターナショナルが毎年行っている調査で、今年で20回目。世界41か国の主要自動車関連企業の幹部981名を対象にアンケートを行い、自動車関連業界の現状を調査。また、世界の消費者2000名以上へのアンケートも同時に行っている。

2030年までの自動車業界の主要トレンド

 調査の結果、グローバルでは「コネクティッドカー技術」が自動車業界における最も重要なトレンドとなった。順位の入れ替わりは多少あるものの、1位から5位までについては過去3年間、回答の傾向がほとんど変わっていない。

2030年までの自動車業界の主要トレンド(グローバル)

2030年までの自動車業界の主要トレンド(グローバル)

 大きな変化のなかったグローバルの回答に対して、日本の回答は今回の調査で変化があった。前回6位だった「ハイブリッド車」が2位に上昇、4位の「自動運転車」と5位の「ビッグデータからの価値創造」もそれぞれ上昇している。

2030年までの自動車業界の主要トレンド(日本)
2030年までの自動車業界の主要トレンド(日本)

 なお、ランク外のものを含めて、特にモビリティサービスに関連する項目をグローバルの結果と比べたところ、日本の自動車業界のエグゼクティブの関心が薄いことがわかった。

 また、77%のエグゼクティブは、過去数十年間は自動車メーカーが技術的課題に責任を負ってきた一方、規制当局がその役割を引き継ぐという見方に同意している。

パワートレーンの動向

 パワートレーンとは、エンジンが生み出す回転する力を伝える機構のこと。グローバルの結果では「ハイブリッド車」と「バッテリー自動車」への投資計画があるとする回答が7割を超えたのに対して、日本の回答は5割程度にとどまっている。日本で投資意欲が一番高かったのは「内燃機関エンジン」であったが、そこだけを見てもグローバルの回答割合よりも低くなっており、全体的にパワートレーン技術への投資意欲が低い傾向となった。

 一方、消費者の選択するパワートレーンは「ハイブリッド車」がグローバル、日本ともに1位となった。

モビリティサービスの普及と物流との融合

 モビリティサービスが成功するうえで重要なこととして、グローバルでは「ブランドの信頼性」が1番(41%)に挙げられている一方で、「TCO(自動車の総保有コスト)」が重視されていない。日本では「コミュニティや価値観の共有」が重視され、サービスの可用性は求められていないと自動車業界のエグゼクティブは考えている。

 それに対して消費者の回答はグローバルと日本で同様の傾向となっている。日本の回答を自動車業界のものと比較すると、「ブランドの信頼性」「コミュニティや価値観の共有」に対する意識にギャップがあることがわかった。

 自動車業界のエグゼクティブは、将来的には人と物の輸送を区別しないであろうという意見に同意しており、人の移動と物流が融合したエコシステム(モビリスティックス)に対する期待が高まっていると考えられる。

顧客との接点を勝ち取るのはだれか?

 グローバルでは今後、顧客との接点を掌握するのは「自動車メーカー」であるという見方をしている。日本の回答傾向としては、「自動車ディーラー」や「モビリティサービスプロバイダー」が掌握するという回答がグローバルと比べて相対的に高い。

 グローバルでは自動車ディーラーの店舗数が2025年までに20~30%程度減少するとみられているのに対して、日本の自動車業界のエグゼクティブは楽観的な回答が多い。

 アフターマーケットについても今後ますます自動車メーカーがシェアを伸ばすと考えられており、独立系のアフターサービス企業は自動車メーカーとの競争が一層厳しさを増すと考えられる。

 結果として、自動車メーカーの収益性は今後数年間でどのように変化すると思うかという問いに対して、北米のエグゼクティブは成熟市場で強気の予測、中国は新興市場に自信を持っている一方で、西欧や日本は相対的に成熟市場で弱気の傾向がみられる。

将来の市場シェア予測

 将来の市場シェアの予測では、前回2位だった「トヨタグループ」のシェア増加を予測する回答が今回は1位となった。「テスラ」が4位から3位に、「現代グループ」が10位から7位に上昇するなどの動きはあるが、10位圏内の自動車メーカーの顔ぶれにはほとんど変化がない。

【調査方法】
調査期間:2018年10月~11月
調査対象者:自動車メーカー、サプライヤー、販売ディーラー、金融サービス会社、モビリティサービスプロバイダー、ICT企業等、世界の自動車関連企業の幹部981名(うち日本は56名)。世界中の消費者2,028名(うち日本は143名)
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査対象地域:(自動車業界幹部) 日本(6%)、西欧(25%)、東欧(12%)、北米(14%)、南米(11%)、中国(11%)、インド・東南アジア(12%)、その他(9%)
対象企業規模:全回答企業のうち60%以上が年間売上高10億米ドル以上の企業であり、26%が100億米ドル以上の企業
※小数点以下の数値については、四捨五入

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