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人手不足倒産件数が過去最高を更新
一方、上場企業の希望・早期退職者募集は最少に

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2019/01/26 18:00

 人手不足倒産件数が過去最高を更新した。そんな中、上場企業の希望・早期退職者募集件数は調査開始から過去最少にとどまった。

 帝国データバンクが1月15日に発表した「人手不足倒産の動向調査」の結果によると、2018年(1月から12月)に発生した「人手不足倒産」は前年比44.3%増の153件だった。2013年の人手不足倒産は34件だったが、2014年が70件、2015年が65件、2016年が72件と、2014年以降は70件前後で推移していた。しかし、2017年は前年比47.2%増の106件に増加し、2018年はさらに増加して2013年の調査開始から過去最高を更新した。

出典:帝国データバンクプレスリリース
出典:帝国データバンクプレスリリース

 2018年の人手不足倒産の負債規模別件数は、「1億円未満」が91件(構成比59.5%)を占め、前年の49件(同46.2%)から増加した。そのほかは「1億円~5億円未満」が54件(同35.3%)、「5億円~10億円未満」が6件(同3.9%)、「10億円以上」が2件(同1.3%)で、小規模倒産が目立った。業種別では「建設業」の46件(同30.1%)、「サービス業」の41件(同26.8%)が多く、「運輸・通信業」の30件、「小売業」の16件、「製造業」の12件などが続いた。

出典:東京商工リサーチサイト
出典:東京商工リサーチサイト

 一方、東京商工リサーチは1月15日、2018年の「主な上場企業の希望・早期退職者募集状況」に関する調査結果を発表した。調査は1月11までに公表された「会社情報に関する適時開示資料」をもとに、2018年(1月から12月)に希望・早期退職者募集の実施が確認できた上場企業を分析したもの。希望・早期退職者の募集予定を発表したものの実施に至っていない企業や、上場企業の未上場子会社は対象から除外している。

 2018年に希望・早期退職者募集の実施を公表した上場企業は12社で、前年の25社から半減した。希望・早期退職者募集を実施した上場企業は、リーマン・ショック直後の2009年には191社に達したものの、円安進行で輸出産業を中心に大手企業の業績が好転した2013年から減少傾向にある。2000年以降でこれまで最少だったのは2016年の16社だが、2018年はこれを下回って最も少なくなった。

 12社の内訳は、固定費削減を含む抜本的な収益構造改革の一環として実施した日本電気(グループ会社を含む)の応募2,170人が最多で、生産性の高い組織構築を進める大正製薬ホールディングス(グループ会社を含む)の応募948人が続いた。

 以下はカタログ通販大手の千趣会(グループ会社を含む)の募集280人、アパレル大手の三陽商会の募集250人が続いた。募集人数が100人以上は6社で、前年の8件を下回った。上場企業の希望・早期退職者募集が調査開始以来で最少にとどまったことについて同社は、人手不足が深刻化するなかで当然の結果と指摘している。

 2019年も人手確保は難しい状況が続くとみられており、中小企業を中心に倒産件数の増加が懸念されそうだ。

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