このところ商品には不向き、もしくは商品化の過程で廃棄処分となる規格外部位や搾りかすなどの有効な活用方法がないかと検討されている。そこで、新たな使い道のアイデアとして各地でさまざまな商品が開発されいる。
タケノコは商品として一般的に流通しているのは、穂先から根元までのやわらかい部分とされているが、斎藤食品工業(静岡県富士市)はそれ以外の部分を活用した。同社が開発した「竹の子まるごとラー油」は、タケノコの名産地で同じ静岡の富士宮市産を使用した一品だ。

出典:齋藤食品工業サイト
ただし原料となったのは、一般的には廃棄の対象となるかたい根元部分。こちらを独自製法で適度な歯ごたえを残しつつ、ラー油に漬け込んだ。ピリ辛な味は使い勝手も抜群で、ご飯に酒のつまみ、またパスタやサラダにも合う。種類はラー油(110グラム入)に、ラー油+にんにく(120グラム入)とバジルトマト(130グラム入)の計3種。価格は全て540円(税込)。
アスパラガスは、出荷時に下部数センチを切り落とすのが一般的。この「切り下」と呼ばれる規格外部分を使って誕生したお茶がある。それが北王農林(本社:北海道中川郡)の「アスパラ茶(540円・税込、6包入)」。
自社農園で採れたアスパラガスの切り下に、粉末、乾燥、焙煎の工程を施したもので、商品化には2年の試行錯誤期間があったという。特徴はノンカフェインの健康茶で、アスパラガスのほのかな甘みが感じられるところだそうだ。商品は同社が運営する農産物直売所「ほなみマルシェ」にて販売されている。

たまりしょうゆの製造過程でできたしぼりかすの「たまりかす」を活用した一品もある。山川醸造(岐阜県岐阜市)が、酒田の塩(酒田の塩 高橋充治/山形県酒田市)とのコラボレーションで世に送り出した「ふりかける醤油(648円・税込、25グラム)」は、しぼりかすと日本海の海水を一緒に煮詰めたもので、たまりしょうゆの香り漂う、まろやかテイストの塩だ。用途も広く、主食におかずと三度の食事はもちろん、アイスクリームなどスイーツにもマッチするという。

生産者側にとっては原料の有効活用をアピールでき、一方の消費者側にとっては新たな味の提案となる取り組み、今後も新たなアイデアが生まれることが期待される。
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