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2019年度の賃金、企業の55.5%が改善見込み
賃上げの目的「労働力の定着・確保」が過去最高に

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2019/03/02 18:00

 2018年度に賃金改定をした企業は69.5%で、2019年度も55.5%の企業が見込んでいる。賃金の増加が景気を下支えする可能性がありそうだ。

 内閣府が2月14日に発表した「2018年10月~12月期の国内総生産(GDP)速報値」によると、2018年10月~12月期のGDP成長率は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.3%のプラスで、2四半期ぶりに増加した。年率に換算すると1.4%のプラスになる。2018年夏の自然災害による個人消費の落ち込みが解消され、好調な内需が全体の成長率を押し上げた。

 GDP成長率の寄与度は、国内需要(内需)が0.6%のプラスで、2四半期ぶりにプラス寄与となった。飲食サービスや自動車などが堅調でプラスに寄与した。一方、財貨・サービスの純輸出(外需)は0.3%のマイナスで、3四半期連続でマイナス寄与となった。

 需要項目別の動向では、民間企業設備で生産用機械等への支出が増加に寄与し、2.4%のプラスで2四半期ぶりに増加となった。民間在庫変動は0.2%のマイナス寄与となったものの、在庫残高の増加幅が2018年7月~9月期の1兆2,000億円から2,000億円に減少しており、1兆円を超える在庫残高の増加幅の減少がGDP成長率を押し上げた。そのほかでは、政府最終消費支出が0.8%のプラスで、6四半期連続で増加するなどした。

 一方、株式会社帝国データバンクは「2019年度の賃金動向に関する企業の意識調査」を実施し、その結果を2月14日に発表した。調査期間は1月18日から31日で、全国の企業2万3,035社のうち9,856社から有効回答を得た。

 2018年度の正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引き上げ)の実績は、「あった」と回答した企業は69.5%で、5年連続で6割を超えた。「なかった」は26.4%だった。2019年度の賃金動向の見込みについて聞くと、賃金改善が「ある」と回答した企業は55.5%で3年連続で5割を超えたものの、前年同期の調査結果から1.0ポイント低下した。「ない」と回答した企業は19.1%で同0.7ポイント上昇した。

 2019年度に賃金改善が「ある」と回答した企業にその理由を複数回答で聞くと、「労働力の定着・確保」が80.4%で初めて8割台となり、過去最高を更新した。以下「自社の業績拡大」(40.9%)と「同業他社の賃金動向」(24.4%)が続いた。特徴的だったのは、「自社の業績拡大」が前年同期から6.1ポイント低下する一方、「最低賃金の改定」が16.3%で同2.4ポイント上昇、「消費税率引き上げ」が10.9%で同7ポイント上昇した。

 続いて、2019年度に賃金改善が「ない」と回答した企業にその理由を複数回答で聞くと、「自社の業績低迷」が52.6%で最も多くなったものの、その割合は4年連続で低下した。そのほかでは、新卒採用の増加や定年延長などを含む人件費・労務費の増加や、労働環境の改善といった「人的投資の増強」が22.0%で過去最高を更新したほか、「消費税率引き上げ」が17.5%で前年同期から8.0ポイントの大幅増となった。

 足元の景気が底堅く推移する中、労働力の定着と確保を図るため、賃上げを行う企業も少なくないようだ。

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