MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

ボラティリティには2種類ある、その変動に注目したシンプルな投資戦略と実践例

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019/03/04 12:00

 「ボラティリティが高い/低い」というのをよく耳にしますが、ボラティリティには一体どのような特徴があるのでしょうか。今回はボラティリティの性質を活用したシンプルな投資手法と、その実践例を紹介します。

ボラティリティの性質を理解する

 相場解説などで相場の変動が大きいときに「ボラティリティが高い」、相場の変動が小さいときに「ボラティリティが低い」というフレーズを聞いたことがあるという方は多いかと思いますが、「ボラティリティ(volatility)」とは「相場の変動度合い」のことを言います。ボラティリティは数値で把握することもできますが、ボラティリティには大きく分けて2種類のボラティリティがあります。

 1つは株価や株価指数など相場の過去の値動きから計算される「ヒストリカル・ボラティリティ(Historical Volatility)」で、統計用語では標準偏差という数値で示されます。もう1つは取引されているオプションの価格から計算される「インプライド・ボラティリティ(Implied Volatility)」です。オプションの取引価格の算出には「インプライド・ボラティリティ」の数値が必要なので、たとえば、市場で取引されているオプションの価格から逆算することで、市場の「インプライド・ボラティリティ」を求めることができるのです。

 「ヒストリカル・ボラティリティ」にせよ、「インプライド・ボラティリティ」にせよ、共通して言えることは「上がり続けることもなければ、下がり続けることもない」ということです。

 図1は日経平均株価の「ヒストリカル・ボラティリティ」の推移を示したもので、10営業日ごとに日経平均株価の変動率から求めた標準偏差(年率換算)を掲載しています。

 このグラフでは、参考までに同期間の「ヒストリカル・ボラティリティ」の平均(緑色の線)も表示していますが、「ヒストリカル・ボラティリティ」が平均を中心に上下変動していることがわかります。ボラティリティは上下変動することはありますが、元の水準に戻ってくるという性質があるのです。

eワラントを活用した投資戦略

 ボラティリティそのものに投資できれば、ボラティリティが低い時期に買って、高い時期に売ることで投資収益を得られそうです。ここでボラティリティのもう1つの性質として、ボラティリティは相場が急落する局面で上昇する傾向があるという点にも触れておきます。

 ボラティリティに直接投資することはできませんが、ボラティリティの上昇と相場の急落が同時に起こるのであれば、プット型eワラントを利用するのが理想的と言えます。プット型eワラントは相場が下げれば下げるほど大きな値上がりを期待できるからです。

 「ボラティリティが上がればよいのはわかった。ではいつボラティリティが上がるの?」という疑問を持つ方もいるかと思いますが、ボラティリティの上昇タイミングをピタリと予想するのはとても難しいのが実情です。

 そこで、ここでは「毎月1回、日経平均株価のプット型eワラントを買って、機械的に1か月後に売却する」という投資戦略を提案します。図2のように、株価水準に関係なく毎月1回買うため、ボラティリティの上昇タイミングをねらわなくてもよく、eワラント初心者でも実行しやすいシンプルなものです。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

著者プロフィール

  • 小野田 慎(オノダ マコト)

    eワラント証券 投資情報室長。一橋大学法学部卒業後、大和証券投資信託委託に入社、投資信託の開発業務に携わる。2005年からイボットソン・アソシエイツ・ジャパンにて金融機関向けのコンサルティング、企業等の評価に用いる資本コストの分析業務、投資信託の定量評価、現代ポートフォリオ理論に基づいたアセット・アロケーション(資産配分)に関する投資助言を行う。ゴールドマン・サックス証券を経て2011年8月より現職。ポートフォリオ構築の専門家としての経験を活かし、幅広い資産の分析を行う。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

関連リンク

本記事は、投資や貯蓄などマネーを活用するための情報提供を目的としており、続きを見る

All contents copyright © 2007-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5