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塩野義製薬、小児ADHD・自閉スペクトラム症の「デジタル治療用アプリ」の開発・販売権を獲得

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2019/04/15 09:00

 塩野義製薬は、スマホやタブレットで動作するデジタル治療用アプリを開発する米Akili社と2つのアプリに関して契約を締結した。

 塩野義製薬は3月7日、デジタル治療用アプリ「AKL-T01」「AKL-T02」の導入に関する契約を米Akili Interactive Labs(以下、Akili社)との間で締結したと発表した。

 「AKL-T01」は、小児ADHDを対象としたデジタル治療用アプリで、スマートフォンやタブレット上で操作するゲーム形式の治療法。認知機能において重要な役割を果たすとされる、脳の前頭前野を活性化するように設計されている。

 Akili社は米国で、ADHDと診断された8歳~12歳の小児患者348例を対象としたピボタル試験(多施設、無作為化、二重盲検、アクティブコントロール比較)を完了。現在、米国においては小児ADHDのデジタル治療用アプリとしてFDA(米国食品医薬品局)へ承認申請中。

 一方、「AKL-T02」は小児の自閉スペクトラム症(ASD)の不注意症状の治療法として開発中のデジタル治療用アプリ。Akili社はASDの専門家の協力のもと、ASD患者を対象とした製品として開発した。「AKL-T02」は深刻な不注意症状を有する小児ASD患者を対象にフィージビリティ試験(医療機器の設計コンセプトを確認するため、仮説の確立、製品の改良、試験の症例数設定などを目的に、小規模で実施する試験)の実施を完了している。この臨床試験では「AKL-T02」が小児ASD患者の注意機能および両親からの報告による行動症状指標に与える影響を評価。現在、より大規模な臨床試験を計画している。

 塩野義製薬は今回の契約締結によって、両デジタル治療用アプリの日本および台湾における独占的開発・販売権を獲得。Akili社は製造・データ管理・技術サポートを担う。塩野義製薬は、契約締結に伴う一時金2000万ドル、今後の開発進展や製品上市後の販売額などに応じたマイルストンを最大で合計1億500万ドル、ならびに製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーをAkili社に支払う。

 Akili社は、デジタル治療用アプリ開発に取り組む企業で、革新的な医薬品を創生するために独創的な技術で医療への応用を進めている。PureTech Healthによって共同設立され、Digital Therapeutics Alliance の創立メンバー。先駆者として、高品質のビデオゲームによるデジタル治療用アプリを開発するほか、ADHD、大うつ病性障害(MDD)、ASDを含む精神・神経領域、各種炎症性疾患の認知機能障害の治療や、症状を改善するための広範な領域におけるパイプラインの開発を進めている。また、総合的な臨床モニターに加えて、測定値に基づいた治療を行うためのアプリケーションも開発している。

 塩野義製薬は今後、Akili社への出資も予定。同社との提携を通じてデジタル治療への取り組みを推進し、ADHDを含む精神・神経系疾患に苦しむ患者へ新たな治療選択肢を提供する。

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