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働き方改革に取り組めない2大理由、「人材不足」と「売上・利益縮小への不安」

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2019/04/20 14:00

 大企業を中心に働き方改革の導入が進む中、地方の中小企業では人手不足がネックになり、導入がなかなか進まないケースもあるようだ。

 株式会社あしたのチームは、従業員5人以上300人未満の中小企業の経営者(20歳から79歳)300名を対象に働き方改革の実態に関するインターネット調査を実施し、その結果を3月26日に発表した。調査期間は2月19日から21日。

 現在までの働き方改革の取り組み状況を聞くと、都市部の中小企業(東京都・大阪府に本社を置く経営者 N=150)では「取り組んでいる」が30.0%、「取り組んでいないが、今後行うことを検討している」が46.0%、「取り組んでおらず、今後行う予定はない」が24.0%だった。

 一方、地方の中小企業(東京・大阪以外の道府県に本社を置く経営者 N=150)では「取り組んでいる」が33.3%で都市部(30.0%)をやや上回った。「取り組んでいないが、今後行うことを検討している」が43.3%、「取り組んでおらず、今後行う予定はない」が23.3%で、いずれも都市部をやや下回っているが、取り組み状況全体で大きな地域差は見られなかった。

 そこで、働き方改革に「取り組んでいないが、今後行うことを検討している」「取り組んでおらず、今後行う予定はない」と回答した経営者(N=205)にその理由を複数選択で聞くと、「人材不足」が32.7%、「売上・利益縮小への不安」が30.7%でともに30%を超え、「自社の業務実態に合わないから」(25.4%)が続いている。また、「人材不足」を選択した割合は、都市部(N=105)が27.6%だったのに対して地方(N=100)が38.0%。また、「働き方改革の必要性を感じないから」を選択した割合は、都市部(N=105)が23.8%、地方(N=100)では12.0%と、都市部と地方で大きな差が見られた。

 IT専門調査会社であるIDC Japan株式会社は、1月に働き方改革に関する調査を実施し、その分析結果を4月9日に発表した。回答社数は1,000社。

 調査結果を見ると、2018年に残業時間短縮やテレワーク、IT利用により働きやすい環境を進める「働き方改革」を実施している企業は66.7%。従業員数1,000人以上の大企業では78.3%、100人から999人の中堅中小企業では53.5%だった。大企業を中心に働き方改革が進む中、テレワーク関連の実行率や働き方改革のためのITツールの導入率は大企業が高く、中堅中小企業の遅れが目立った。

 働き方改革を導入した効果について聞くと、残業時間短縮や生産性向上などの効果があったと考える企業は約61%で、大企業が約60%、中堅中小企業が約62%となり、従業員規模による大きな差は見られなかった。

 しかし、働き方改革を導入するにあたり、生産性向上のための数値目標設定を行っている企業(数値目標設定企業)に限定すると、約79%が「働き方改革の効果があった」と回答している一方、数値目標未設定企業では約61%にとどまっており、働き方改革導入効果に大きな差が見られた。また、数値目標設定企業のうち、働き方改革を導入したものの効果が見られないと考えている企業の主な要因として、「仕事量が一部の社員に偏ってしまった」ことが挙げられた。

 地方の中小企業を中心に、働き方改革を進めるうえで人材不足がネックになっている現状がある。働き方改革で高い効果を生み出すには、具体的な数値目標を設定することが重要といえそうだ。

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