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製造業中心に景況感悪化、下振れ材料のトップは「人手不足の深刻化」

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2019/04/27 22:00

 中国や米国経済の悪化を懸念する企業が昨年より増えており、製造業を中心に先行きの業況を懸念する企業が増えつつあるようだ。

 日銀が4月1日に発表した3月の「全国企業短期経済観測調査(短観)」によると、企業の景況感を示す「最近」の業況判断指数(DI)が、大企業・製造業でプラス12となり、前回の2018年12月調査のプラス19から7ポイント悪化した。「先行き」についてはプラス8で、「最近」との比較で4ポイント悪化している。

 大企業・非製造業の最近のDIはプラス21で同3ポイント悪化、先行きのDIはプラス20で1ポイントの悪化となった。短観で使われているDIは、企業に質問をして「良い」「さほど良くない」「悪い」で回答をしてもらい、「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いた値。DIがマイナスになると「悪い」と回答した企業が多いことを示す。

 企業の規模別では、最近のDIは中堅企業・製造業がプラス7で同10ポイント悪化、中堅企業・非製造業がプラス18で同1ポイント改善。中小企業・製造業ではプラス6で同8ポイント悪化、中小企業・非製造業ではプラス12で同1ポイント改善した。

 先行きのDIは中堅企業・製造業がプラス3で4ポイント悪化、中堅企業・非製造業がプラス12で6ポイント悪化。中小企業・製造業がマイナス2で8ポイント悪化、中小企業・非製造業がプラス5で同7ポイント悪化した。また、業種別では非鉄金属やはん用機械など、製造業を中心に悪化が目立つ内容だった。

 一方、帝国データバンクは、全国の企業2万3,181社を対象に「2019年度の業績見通しに関する企業の意識調査」を実施し、その結果を4月11日に発表した。調査期間は3月15日から31日で、9,712社から有効回答を得た。

 2019年度(2019年4月決算~2020年3月決算)の業績見通しについて聞くと、「増収増益」を見込む企業は24.8%で、2018年3月調査の見通しから4.5ポイント減少した。その一方で「減収減益」を見込む企業21.8%で5.1ポイント増加しており、2019年度の業績見通しについてやや厳しい見方をする企業が増えつつあった。そのほかの回答は、「増収減益」が6.6%、「減収増益」が5.3%、「前年度並み」が22.5%、「その他」が18.9%だった。

 そこで、2019年度業績見通しの上振れ材料を複数回答で聞くと、「個人消費の回復」が27.0%で最も多く、以下、「消費税率10%への引き上げを控えた駆け込み需要」(20.5%)と「公共事業の増加」(20.4%)、「東京五輪需要の拡大」(17.9%)が続いた。「個人消費の回復」は8年連続で上振れ材料のトップとなったものの、前年の調査時より6.0ポイント減少しており、個人消費回復への期待感が薄らいでいる様子だった。

 下振れ材料について同様に聞くと、最も多かったのは前回調査同様に「人手不足の深刻化」の39.0%で、以下、「中国経済の悪化」(32.2%)と「個人消費の一段の低迷」(31.5%)、「消費税率引き上げによる消費低迷」(30.3%)、「米国経済の悪化」(21.2%)が続いた。前年の調査と比較すると、「中国経済の悪化」が14.9ポイント、「米国経済の悪化」が5.0ポイント上昇した。

 消費税率引き上げを控えて個人消費の回復期待が薄らぐ中、企業は中国をはじめとした世界経済の悪化を受けて、自社の業績悪化も懸念し始めているようだ。

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