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ジェネリック医薬品市場は29.3%増の1兆2,449億円、バイオシミラーへの切り替えが本格化

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2019/05/06 08:00

 富士経済は、バイオシミラーやオーソライズドジェネリックの製品が増加し、活性化しているジェネリック医薬品の国内市場を実施した。

 富士経済は、バイオシミラーやオーソライズドジェネリックの製品も増加し、切り替えが進むジェネリック医薬品の国内市場調査の結果を発表した。この調査では、ジェネリック医薬品(診療報酬点数表の後発医薬品に属するもの)と、長期収載品の市場を32の薬効領域に分けて調査。新規領域の製品発売で市場が活性化しているバイオシミラー、投入が相次いでいるオーソライズドジェネリックの市場についても整理し、剤形別で捉えるなど多角的に市場を分析している。

 厚生労働省が2018年10月に主催した市民公開講座「『バイオ医薬品とバイオシミラーを正しく理解していただくために』 バイオ医薬品・バイオシミラーって何?」の資料によると、従来の薬は様々な薬品を化学反応させてつくる薬(化学合成医薬品)だったのに対して、バイオ医薬品は細胞や微生物といった生物の力、すなわち「タンパク質をつくる力」を利用してつくる薬と定義している。

 生物は「アミノ酸をつなげてタンパク質をつくる力」を持っており、ヒトの体の15~20%はタンパク質でできている。ただし、タンパク質は非常に構造が複雑なため薬品を化学反応させて作るのは難しい。バイオ医薬品は生物の力を使ってつくったタンパク質(ホルモン、酵素、抗体など)を有効成分(病気に対して効果がある成分)としている。

 しかし、バイオ医薬品は開発、製造、品質の管理が難しく、高度な技術や大規模な設備、多くの試験が必要となり、価格が高くなる。バイオシミラーは、特許が切れたバイオ医薬品(先行バイオ医薬品)とほぼ同じ有効成分が同じ量含んだ医薬品で、先行バイオ医薬品の約70%ほどの価格に抑えることができる。

 「ほぼ同じ」としているのは、有効成分であるタンパク質の基本的な構造(アミノ酸の並び方:配列)は先行バイオ医薬品と同一だが、タンパク質は非常に複雑な構造をしており、すべての構造が同一のものを製造することは困難なため。つまり、バイオシミラー(biosimilar)は、先行バイオ医薬品と高い類似性を持った薬である。

 一方、オーソライズドジェネリックは、先発医薬品とまったく同じ成分(原薬の有効成分や添加物、製造方法まですべて同一)のジェネリック医薬品を指し、先発医薬品メーカーが関連会社などに特許権を許諾し、同一品質のジェネリック医薬品として販売されるものである(公正取引員会 競争政策研究センター「医薬品市場における競争と研究開発インセンティブ」2015年より)。

 富士経済の調査によると、ジェネリック医薬品市場は、薬価改定の影響を受けているものの引き続き新規成分の増加や、相次ぐオーソライズドジェネリックの投入により伸長。2017年は前年比7.8%増の9,627億円となった。

 2018年には抗がん剤において、リツキシマブやトラスツズマブを成分としたバイオシミラーが発売されるなど本格的な切り替えが進んでいる。政府は2020年度末までにジェネリック医薬品への置換え率80%超(数量ベース)を目標として掲げている。期限を目前に控え、今後はバイオシミラーにおいても目標の設定が検討されており、切り替えが進みそうだ。

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