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2018年の新設法人数、リーマン後初の前年割れ、企業の新陳代謝は「少産多死」の時代に?

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2019/06/01 15:00

 2018年の新設法人数は前年を9年ぶりに下回った。倒産や休廃業・解散件数の推移によっては「少産多死」の状況となる。東京商工リサーチと帝国データバンクの調査を見てみよう。

東京商工リサーチ、2018年「全国新設法人動向」調査結果

 東京商工リサーチは5月14日、「2018年 全国新設法人動向」の調査結果を発表した。調査は同社の企業データベースから、2018年(1月から12月)に全国で新しく設立された新設法人を抽出して分析したもの。

 2018年の新設法人は前年比2.7%減の12万8,610社で、リーマン・ショック後の2009年以来、9年ぶりに前年を下回った。前年の新設法人数は13万2,291社で、2007年以降で初めて13万社を超えていた。

 新設法人を資本金別でみると、増加は「100万円未満」が2万9,419社(前年比1.4%増)、「1千万円以上5千万円未満」が5,746社(同0.4%増)で、これ以外の区分はすべて減少。「1億円以上」は506社(同13.2%減)と大幅に減少している。「1千万円未満」の少額資本金(その他除く)の新設法人は11万420社(前年比2.2%減、構成比85.8%)だった。2006年の会社法施行による最低資本金制度の廃止が浸透し、構成比は9割近くにまで達している。

 産業別では、10産業のうち6産業が前年より減少し、減少率トップは「建設業」の前年比25.6%減。増加率トップは「運輸業」の同20.65%となった。

 法人格別の社数では、株式会社が8万7,527社(構成比68.0%、前年比4.8%減)と全体の約7割を占めたが、新設法人数は2017年より4.8%減少した。合同会社は2万8,940社(同22.5%、同7.3%増)で初めて2万8,000社を超えた。合同会社は設立コストが安価なだけでなく、株主総会の開催が不要など経営の自由度も高く、メリットが浸透している。このペースで増加すると、2019年に3万社を突破する可能性もあるが、個人投資家が不動産投資の節税対策として活用していた部分もあり、商工リサーチは、このまま合同会社が増加の一途をたどるかは不透明だとしている。

 一方、2018年の休廃業・解散は過去最多の4万6,724社(前年比14.2%増)に達したことから、東京商工リサーチは、新規参入の企業が減少し、企業の新陳代謝は「少産多死」の厳しい状況と分析している。

帝国データバンク、「倒産」「休廃業・解散」調査

 一方、帝国データバンクは「倒産」と「休廃業・解散」について、それぞれ調査結果を発表している。

 1月15日に発表された「全国企業倒産集計 2018年報」では、2018年(1月から12月)の倒産件数は前年比3.7%減の8,063件で、2年ぶりに前年を下回っている。業種別に見ると、7業種中6業種で前年を下回った。なかでも、建設業(1414件、前年比10.0%減)、製造業(927件、同9.7%減)、卸売業(1202件、同5.8%減)の3業種は、2000年以降で最少となった。

 主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は6443件(前年比5.9%減)で、構成比は79.9%(同1.8ポイント減)。不況型倒産を業種別に見ると、小売業(1575件)が24.4%を占め最多となった。「人手不足倒産」は153件(前年106件)で、前年比44.3%の増加、「後継者難倒産」は401件(前年341件)で、前年比17.6%の増加となっている。

 帝国データバンクは1月25日に「2018年 全国休廃業・解散動向調査」も発表。2018年(1月から12月)の「休廃業・解散」件数は、前年比5.6%減の2万3,026件で、2年連続で前年を下回った。

 態様別では「休廃業」が前年比8.9%減、「解散」が同1.2%減でともに前年を下回ったものの、大企業の子会社の再編や後継者難問題などを背景に「解散」は3年連続で1万件を超えた。業種別では「建設業」が構成比31.6%で最も多く、「不動産業」(構成比22.1%)、「小売業」(同15.6%)、「卸売業」(同11.7%)などが続いた。

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ⒸAdobe Stock/Rattana.R

 代表者の年代別に見ると、リタイア適齢期に当たる「70代」が6723件(構成比35.4%)となり、2年連続で最多。また、件数・構成比ともに「70代」と「80代以上」が増加し、「70代」の構成比は2.8ポイント増加している。

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