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顧客は保険会社よりも変化への準備ができている、リアルタイムデータを活用できる保険会社は27%のみ

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2019/06/03 08:00

 環境の変化に保険会社はどのように対応する必要があるのか? キャップジェミニとEfmaが発表した調査レポートでは、保険会社の対応の遅れを指摘している。

 キャップジェミニと、銀行・保険会社によって設立されたグローバルな非営利団体Efmaは、2019年版ワールド・インシュアランス・レポートを発刊した。このレポートでは、保険会社の顧客とそのビジネスにとって新たなリスクを生み出しているマクロトレンドを特定している。

 このレポートでは、保険業界におけるいくつかの課題を指摘している。以下、ひとつずつ見ていこう。

保険会社は新たなリスクへの対応が遅れている

 保険会社にとっての新たなリスク。それは以下の5つである。

・破壊的な環境パターン
・技術の進歩
・進化する社会的および人口統計的トレンド
・新しい医療および健康への懸念
・ビジネス環境の変化

 ほとんどの保険会社はこれらのトレンドに対応するのに時間がかかっている。この調査では、すべての地域で25%未満の法人顧客、および15%未満の個人保険契約者のみが、これらのマクロトレンドによって引き起こされる新たなリスクに対して十分な補償があると感じている。また、生命保険と健康保険会社のうち、新たなリスクを包括的にカバーするための新商品を開発したと述べているのは40%未満となっている。

新たなリスク分野に対して大きな補償ギャップが存在している

 新たな脅威への対応が遅れているため、これらのリスクにさらされている顧客には大きな補償ギャップが生じている。レポートによると、個人保険の顧客の83%がサイバー攻撃や貯蓄の保持に対する中~高程度のリスクにさらされており、これらの不測の事態に対してそれぞれ3%、5%しか補償されていない。

 法人顧客では、81%が従業員向け医療費の高騰リスクにさらされているものの、十分な補償があるのは、そのうち17%だけ。 また、87%がサイバー攻撃の危険にさらされているものの、包括的な保険をかけているのは18%未満となっている。また、75%近くが自然災害の増加によって脅かされているにもかかわらず、効果的にカバーされているのは、そのうち22%だとしている。 

顧客は保険会社よりも変化に備えている

 保険業界の状況が変化するにつれて、顧客は保険会社よりも変化への対応力を示している。顧客の半数以上(55%)が新しい保険モデルを検討する準備ができていると回答しているが、それらに投資しているのは、保険会社の4分の1(26%)。

 リスク管理と予防サービスの向上のために、37%の顧客が追加データを共有する意向があると答えているが、リスクモデリングの目的でリアルタイムデータを活用できる保険会社は27%のみとなっている。

保険会社は革新し、パートナーおよび予防者になる必要がある

 このレポートでは、保険会社は、新しいテクノロジーとパートナーシップを活用することで、新たな脅威や変化する顧客の期待に応える必要があると指摘している。大多数(57%)がAI、機械学習、および高度な分析を活用しているが、自動リスク評価を実施したのは29%、IoTデバイスからのリアルタイムインサイト生成はわずか20%だった。

【調査概要】
ワールド・インシュアランス・レポート(WIR)2019は、生命保険、損害保険、健康保険の3つの広い保険分野すべてを網羅。今年のレポートは、2つの主要な調査-  「2019 Global Insurance Voice of the Customer Survey(グローバル保険顧客の声調査)」と「2019 Global Insurance Executive Interviews (2019年のグローバル保険会社幹部インタビュー)」 - からの研究の洞察に基づいている。また、世界の28の市場からの洞察を網羅している。

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