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銀行111行の「預貸率」10年ぶりに前年同期を上回る、「預貸ギャップ」は過去最大に

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2019/06/12 10:00

 東京商工リサーチは、全国の銀行の預貸率を調査。預貸ギャップは全体で279兆円となり10年連続で拡大も、地方銀行や第二地銀は4年連続で預貸ギャップが縮小している。

 東京商工リサーチは、国内銀行111行を対象に2019年3月期の単独決算ベースの預貸率を調査した。「預貸率」は、銀行預金の運用状況を示す経営指標のひとつで、預金残高に対する貸出残高の比率。預貸率(%)は「貸出金÷預金×100」で算出している。

 調査によると、国内銀行111行の2019年3月期の預貸率は65.7%(前年同期65.2%)だった。預貸率は、2010年3月期以降、9年連続で低下していたが、2019年3月期は10年ぶりに前年同期を上回った。

 10年前の2009年3月期は、貸出金が前年同期比4.3%増、預金が同2.1%増と、伸び率は貸出金が預金を上回ったが、リーマン・ショック後は中小企業の資金繰りが悪化。2009年12月に中小企業等金融円滑化法が施行された。これに伴い、金融機関の貸出は伸び悩み、伸び率は預金が貸出金を上回る状態が続いていた。

 2019年3月期は貸出金の伸び率が前年同期比5.0%増に対し、預金は同4.1%増で、貸出金が0.9ポイント上回っている。

 111行のうち、預貸率が前年同期を上回ったのは82行(構成比73.8%)で、前年同期(45行)から37行増えた。預貸率の伸び率の最高は、熊本銀行の17.1ポイント上昇(90.9→108.0%)。同行は貸出金(前年同期比16.7%増)を伸ばす一方、預金(同1.8%減)が減少し預貸率が大幅に上昇した。次いで、スルガ銀行12.2ポイント上昇(79.3→91.5%)、十八銀行8.2ポイント上昇(63.4%→71.6%)の順。

 業態別では、大手行58.4%(前年同期58.1%)、地方銀行75.4%(同73.9%)、第二地銀77.2%(同76.2%)と全業態で預貸率が上昇している。大手行との差は、地方銀行が前年同期比1.2ポイント(15.8→17.0ポイント)、第二地銀が同0.7ポイント(18.1→18.8ポイント)、それぞれ拡大。大手行は貸出金と預金がそろって大幅に増加し、預貸率の上昇はわずかにとどまった。

 預貸ギャップは279兆3,914億円で、前年同期の272兆8,441億円より6兆5,473億円(2.3%増)拡大し、過去最大を更新した。地域経済により密接な地方銀行や第二地銀は、4年連続で預貸ギャップが縮小した。

 銀行の本店所在地別にみた預貸率では、全国10地区で前年同期を上回った。最高は九州の82.6%(前年同期79.3%)。次いで、中部77.2%(同75.5%)、中国76.9%(同75.1%)、北海道75.5%(同74.9%)、近畿73.8%(同73.2%)の順。

 最低は東京の58.2%(同57.9%)。伸び率は、九州の前年同期比3.3ポイント増が最高。次いで、中国の同1.8ポイント増、東北の同1.7ポイント増となっている。

【調査概要】
東京商工リサーチは、国内銀行111行を対象に2019年3月期の単独決算ベースの預貸率を調査。「預貸率」は預金残高に対する貸出残高の比率で「貸出金÷預金×100」で算出。

「貸出金」は貸借対照表の資産の部から、「預金」と「譲渡性預金」は貸借対照表の負債の部から抽出。預金は「預金」(普通預金、当座預金など)と「譲渡性預金」の合算である。

銀行業態は、1.埼玉りそなを含む大手行7行、2.地方銀行は全国地銀協加盟行、3.第二地銀は第二地銀協加盟行。

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