「貯金できない人」というのはどんな人たち?
――今日はマネーフォワードのサービスの中でも、貯金アプリ「しらたま」についてうかがいたいと思います。「しらたま」というと、すごくおいしそうな感じの名前ですね。
坂本:「知らずにたまる」というのを縮めて「しらたま」と名付けました。貯金に対する固いイメージを少し柔らかくしたかったし、貯金に対するハードルも下げたかったので、丸くて柔らかい印象のネーミングに決めました。
というのも、2015年にマネーフォワードが実施した調査で、貯金ができてない人が思った以上に多いことがわかったからなんです。

こちらがそのデータのひとつですが、女性はこだわりすぎて7割が、男性は時間がなくて5割の方が挫折しています。男女で理由は異なるにしても貯金ができていない。「しらたま」が想定しているユーザーは、この貯金したいけどできていない人、お金をためる入り口にいる人と定めました。

安江:マネーフォワードが提供している家計簿サービス「マネーフォワード ME」では、個人のお金の情報を一元管理して資産を見える化することができます。情報を整理して、貯金ができていないという課題に気づいたユーザーに対してどんなソリューションを提供すればいいのかを考えた結果、生まれたアイデアのひとつが「しらたま」でした。

株式会社マネーフォワード Money Forward X本部 事業企画部 部長
兼 事業開発本部 しらたまグループ 安江友宏氏
「マネーフォワード ME」のユーザーを「貯金したい度」と「貯金ができているか」で4象限に分けると、以下のようになります。左上を見ていただくと、貯金したい度が高いけれど、貯金ができない「A」という人たちがいますよね。

じゃあ、このAの人たちの特性をくわしく調べてみようと調査した結果、以下のような特性が見えてきました。お金のことはわからないけれど、知らないといけないなと思っている。心配性な人もいれば、大雑把な人もいる。こういう特性を持った人たちをまずコアなターゲット層として、徹底的に分析してサービスを作り込んでいきました。

――「大雑把」という特性は、貯金とどういうふうに関係してくるのでしょうか。
安江:これはお金の使い方とかの問題なんですけど、言い換えれば「どんぶり勘定」ということですね。でも私たちはそれを悪いことだと思っていません。私たちが課題解決をすることで、大雑把な人は大雑把なままでもいいという状態にしたいのです。そうすれば、多分その人は持って生まれた性格のまま、大雑把なままでも前に進めるので。