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新制度で「仕切り直し」のふるさと納税、減収の自治体からは苦言も

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2019/06/29 11:00

 6月1日から新たな制度でふるさと納税がスタートした。この制度に一定の効果を見込む自治体は多いが、税収が減る側として苦言を呈する自治体もある。

 地方税法等の一部を改正する法律が成立し、6月1日以降、ふるさと納税に係る指定制度が創設された。新しい制度では、総務大臣が寄附金の募集を適正に実施する地方団体をふるさと納税の対象として指定し、返礼品を送付する場合には、返礼品の返礼割合を3割以下とすること、返礼品を地場産品とすることなどの条件を満たす必要がある。

 これを受け、総務省は5月14日、6月1日以降ふるさと納税の対象となる1,783団体(46道府県・1,737市区町村)を公表した。今回公表された団体の中には、過度な返礼品で多額の寄付を集めた静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4つの団体(市町)が除外された。東京都は申請書の提出がなかったため、ふるさと納税の対象にはならない。

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ⒸAdobe Stock/osame

 また、除外となった4つの団体ほどではないものの、不適切な返礼品など寄付集めの手法に問題があった43の団体(市町村)については、6月1日から9月30日までの4か月に限定して指定された。これらの団体は、7月1日から30日の期間にあらためて申請を行い、指定を受ける必要がある。なお、今回の改正で除外された4つの市町への寄付金は、6月1日以後に支出された分についてはふるさと納税の対象外となるため注意したい。

 株式会社さとふるは、同社が運営するふるさと納税ポータルサイトで取り扱う167の自治体を対象に「ふるさと納税の活用状況や制度見直しに関するアンケート」を実施し、その結果を6月17日に発表した。調査期間は5月16日から29日。

 ふるさと納税によって地域や特産品の認知が高まったか聞くと、「とても高まった」が16.8%、「まあまあ高まった」が77.8%で、9割を超える自治体が「高まった」と回答した。「全く高まらなかった」は3.0%。人口の交流状態について聞くと、「増加した」が4.2%、「まあまあ増加した」が25.7%だった。

 続いて、地方税法の改正による寄付額への影響を聞くと、38.3%の自治体が「寄付額に影響はないと思う」と回答する一方、「寄付額が増加すると思う」が24.6%、「寄付額が減少すると思う」が35.9%で、回答が大きく分かれた。

 そんな中、6月25日に、毎日新聞のニュースサイトに東京都世田谷区の保坂展人区長のインタビューが掲載された。保坂氏によると、ふるさと納税による今年度の区民税減収額が約53億円に上る見通しで、これは地方交付税による補塡(ほてん)を除いた純粋な減収額としては全国1位になるという。保坂区長は、現状に対して「まるで自治体版通販」と苦言を呈している。

 今回の法改正でふるさと納税における過度な返礼品競争が是正されることになったが、本来の趣旨に沿った制度になっていくのか、今後の動向に注目が集まる。

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