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ヤフー、アスクル岩田社長の再任反対を表明、アスクルは提携関係の解消を申し入れ

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2019/07/18 08:00

 7月17日、ヤフーはアスクルの岩田彰一郎代表取締役社長の再任に反対の議決権を行使する予定だと発表。それに対してアスクルは、提携関係の解消を申し入れた。

 ヤフーは、2012年にアスクルと業務・資本提携契約を締結し、BtoCのEコマース「LOHACO」事業をはじめ、協業を続けてきた。2015年の業務・資本提携契約の改定後、ヤフーはアスクルの株式を約45%(議決権ベース)保有し、アスクルを連結子会社としている。

 ヤフーは7月17日、連結子会社のアスクルが8月2日に開催を予定している定時株主総会の第2号議案(取締役選任議案)において、岩田彰一郎代表取締役社長の再任に反対の議決権を行使する予定だと発表した。

 理由としては、Eコマース市場全体では高い成長が続いているにもかかわらず、アスクルは2018年5月期の営業利益が前年度を50%下回る約41億円となるなど、業績が低迷していること。事業別では、主力事業であるBtoB事業(アスクル事業)の売上成長率は鈍化傾向にあるほか、ヤフーの協力を得て運営しているBtoC事業(LOHACO事業)は2012年10月のサービス開始から現在まで収益の改善は見られず、2014年5月期の約29億円の赤字から悪化して、2019年5月期は約92億円の赤字となったことなどを挙げている。

 ヤフーはこれらの実績から、1997年から現在に至るまで長期にわたり代表取締役社長を務めている岩田社長の事業計画の立案力および事業計画の遂行力に疑問を抱くに至ったという。抜本的な変革を行うために、経営の若返りを図り、新たな経営陣のもとで新たな経営戦略を推し進めるのが最善としている。

 これに対して、同じく7月17日、アスクルはヤフーとの提携を解消するため、ヤフーに協議を申し入れたと発表した。あわせてアスクルは、提携解消を申し入れるまでの経緯も明らかにしている。

 それによると、2019年1月、ヤフーからアスクルに対して、LOHACO事業のヤフーへの譲渡の可否、および譲渡が可能な場合の各種条件について検討するよう要請があったという。翌月、アスクルは独立役員会および取締役会の審議を経て、ヤフー社への譲渡の提案は行わないことを決定した。

 6月27日、ヤフーの川邊社長がアスクルを訪れ、岩田社長に対し退陣を要求するとともに、ヤフーが8月2日のアスクルの定時株主総会で岩田社長再任について反対することの意向を表明。これに対して、アスクルは指名・報酬委員会の審議などを行い、7月の取締役会で指名・報酬委員会の提案に基づいて現任取締役全員の再任案を決議した。

 アスクルは、この半年にわたって、ヤフーとの経営思想の違い、業務・資本提携契約で合意したイコールパートナーシップ精神の喪失、上場企業としての独立性の侵害が顕著になったことを踏まえて、当初の個人向けEコマースを両社共同で成功させるという目的を達成することができなくなったと考え、提携関係の解消を申し入れに至った。

 そして7月10日以降、アスクルからヤフーに質問書、提携関係解消書などを交付し、ヤフーからはアスクル株式の譲渡先・譲渡条件について質問があったことから、アスクルはこれに回答したという。

 アスクルは今期(2020年5月期)の連結業績は、営業利益88億円(前期比194.7%)の大幅増益を見込んでおり、2017年からの物流センター火災、宅配クライシスの影響を完全に克服し、BtoB事業、BtoC事業、ロジスティクス事業の3事業のシナジーを最大化するECの実現に引き続き邁進するとしている。

アスクルがまとめた、これまでの経緯
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