MONEYzine(マネージン)

テーマ別に探す

役員報酬1億円以上は570人、従業員の平均給与と50倍以上の格差があるのは9社に

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019/07/22 08:00

 東京商工リサーチは、2019年3月期決算「役員報酬1億円以上開示企業」の調査結果を発表した。最高額は、ソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長の32億6,600万円だった。

 2010年3月31日に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令の改正」で、上場企業は2010年3月期決算から取締役(社外取締役を除く)、監査役(社外監査役を除く)など、役職別および報酬等の種類別の総額、提出企業と連結子会社の役員としての連結報酬1億円以上を受けた役員情報の有価証券報告書への記載が義務付けられている。

 東京商工リサーチは7月19日、2019年3月期決算「役員報酬1億円以上開示企業」の調査結果を発表した。上場企業の2019年3月期決算で1億円以上の役員報酬の開示は280社となり、人数は570人。社数は前年同期を40社(前年同期240社)、人数は32人(同538人)それぞれ上回っている。この結果、2017年3月期から3年連続で社数・人数の最多記録を更新した。

 2019年3月期の役員報酬の最高額は、ソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長の32億6,600万円で、前年同期(20億1,500万円)の1.6倍に増加した。報酬の内訳は、基本報酬が3億3,900万円だが、株式報酬が29億2,400万円(未確定分を含む)により報酬額を押し上げた。

 2位は、新日本建設の金綱一男会長で23億4,300万円(前年同期開示なし)で、報酬の大半は退職慰労金が占めている。3位は、ソフトバンクグループのマルセロ・クラウレ副社長COOで18億200万円(同13億8,200万円)。ロナルド・フィッシャー副会長と違い、基本報酬が主体となっている。

 日本人役員では、役員退職慰労金(引当金繰入額を含む)で多額の報酬を得るケースがあるが、外国人役員は賞与や業績連動報酬のほか、ストックオプションなど非金銭報酬で多額の報酬を得るケースが目立つ。ただ、最近は退職慰労金制度を廃止する企業も増え、報酬体系は業績連動などの報酬に移行しつつある。

 東京商工リサーチは、役員報酬1億円以上開示企業の従業員給与についても調査している。役員報酬1億円以上開示の企業における、従業員の平均給与は700万円台の72社(構成比25.7%、前年同期57社)が最多となり、600万円台が53社(同18.9%、同44社)、1,000万円台が44社(同15.7%、同40社)となった。

 開示人数の多い企業の従業員の平均給与は、開示21人の三菱電機が816万9,000円(前年同期792万4,000円)、同17人の日立製作所が894万3,000円(同871万5,000円)、同10人のファナックが1,364万4,000円(同1,347万4,000円)、同9人の東京エレクトロンが1,272万円(同1,076万7,000円)、同8人の三菱UFJフィナンシャル・グループが1,067万5,000円(同1,061万9,000円)、三菱商事が1,607万7,000円(同1,540万9,000円)、バンダイナムコホールディングスが1,083万2,000円(同1,217万4,000円)となり、開示人数が多い企業は、従業員の平均給与も高くなっている。

 また、東京商工リサーチは、2019年3月期の1億円以上の役員570人の基本報酬と賞与の合計(以下、報酬額)と、従業員の平均給与を比較している。

 最も格差が大きかったのは日産自動車のカルロス ゴーン元会長(報酬額16億4,700万円)で、従業員の平均給与(815万4,000円)の201.9倍の報酬を受け取っている。2位は、日本調剤の三津原博元社長(報酬額6億6,300万円)で、従業員の平均給与(545万7,000円)の121.5倍。3位は、ソフトバンクグループのマルセロ・クラウレ副社長COO(報酬額11億9,200万円)で、従業員の平均給与(1,253万3,000円)の95.1倍。4位は、武田薬品工業のクリストフウェバー社長(報酬額9億700万円)で、従業員の平均給与(1,094万円)の82.9倍。5位は、アイビー化粧品の白銀浩二社長(報酬額3億500万円)で、従業員の平均給与(452万3,000円)の67.4倍。

 格差の平均は、報酬額で18.2倍(中央値14.0倍)に対し、報酬総額(基本報酬・賞与以外の報酬を含む)で30.5倍(同20.8倍)と、基本報酬や賞与以外の報酬が大きいことがわかった。

【調査概要】
この調査は、全証券取引所の上場企業2,411社を対象に、2019年3月期の有価証券報告書で役員報酬1億円以上を個別開示した企業を集計。上場区分は2019年7月10日現在。

日産自動車の2018年3月期以前の数値は、2019年5月14日に訂正した数値を反映している。

【関連記事】
役員報酬1億円以上の企業数が過去最高を更新、最高額はソフトバンクGフィッシャー副会長32.6億円
上場企業の平均年間給与は初の600万円台、トップ3はGCA、ヒューリック、三菱商事
これから導入検討したいのは「譲渡制限付株式(リストリクテッド・ストック)」【役員報酬調査】

  • ブックマーク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連リンク


All contents copyright © 2007-2019 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5