「ヒンデンブルグオーメン」とは?
読者のみなさん、はじめまして。8月からこの連載を担当することになった、eワラント証券の多田幸大です。どうぞよろしくお願いします。
さて、今月とりあげる「ヒンデンブルグオーメン」は、米国市場の株価急落を予兆するシグナルとして知られています。最近では7月23日(日本時間)に点灯したことが、市場関係者の中でちょっとした話題となりました。本稿では、「ヒンデンブルグオーメンをはじめて聞いた」という方のために、ヒンデンブルグオーメンの点灯メカニズムについて解説します。

ヒンデンブルグオーメンはテクニカル指標の一種で、eワラント証券投資情報室ではニューヨーク証券取引所上場銘柄を用いてヒンデンブルグオーメンを毎営業日更新して公開しています(https://www.ewarrant-sec.jp/?p=1775)。
具体的には、次の4条件を満たすと点灯となります。この4条件についてはどの株式市場を用いるか、判定のしきい値にどの値を用いるかによってシグナル点灯の有無は異なります。eワラント証券投資情報室では、株式投資に対する総合的な有意性から独自に定義しています。
条件1:ニューヨーク証券取引所(NYSE)での高値更新銘柄と安値更新銘柄の数が共にその日の値上がり・値下がり銘柄合計数の2.2%以上
条件2:NYSE総合指数の値が50営業日前を上回っている
条件3:短期的な騰勢を示すマクラレン・オシレーターの値がマイナス
条件4:高値更新銘柄数が安値更新銘柄数の2倍を超えない
今年では、2019年5月10日(日本時間)にヒンデンブルグオーメンが点灯しましたが、その後、5月後半にかけてNYダウ平均は大きく下落しました。

同様のケースがこれまでにも何度か散見されてきたことから、一部の市場関係者の中でヒンデンブルグオーメンの点灯を暴落の予兆と見る向きが強まったのかもしれません。