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上場ゼネコン57社、売上高は10年間で最大も利益面のピークアウトが鮮明に

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2019/08/05 09:00

 東京商工リサーチの調査によると、上場ゼネコン57社の売上高は10年間で最大となったものの、利益面のピークアウトが鮮明になっている。

 東京商工リサーチは8月2日、上場ゼネコン57社の「2019年3月期決算」業績動向調査結果を発表した。

 上場ゼネコン57社の単体決算の2019年3月期の売上高合計は12兆8,148億円(前年比6.0%増)で、2009年以降の10年間で最高を記録。伸び率も2014年(同7.4%増)に次ぐ、2番目の高水準だった。公共事業に加え、都市部の大型再開発や商業施設など民需も活発で、佳境を迎えている東京五輪・パラリンピック関連の工事も寄与した。

 売上高ランキングの1位は「清水建設」で、「大林組」「大成建設」が続いた。「清水建設」は、増収率ランキングでは8位に入っている。

 しかし、利益面は高水準を維持したものの、いずれの利益段階でも過去10年間で最高だった前年同期を下回った。57社全体の業績は増収減益で、特に利益のピークアウトが鮮明となった。

 各利益のなかで最も減少率が大きかったのは、本業の儲けを示す営業利益(前年比3.5%減、371億円減)だった。労務費の高騰や外注費に加えて、販管費の負担もコストアップ要因に繋がり、本業で稼ぐ力が課題として浮上している。

 売上総利益率ランキングの1位は「新日本建設」で、「ライト工業」「長谷工コーポレーション」が続いた。また、「売上総利益率上昇ランキング」では、「ピーエス三菱」が1位となっている。

 建設業界は建設技能者の高齢化、若年者の減少などで、人手不足が深刻化している。高止まりする資材価格の高騰や労務費の上昇もネックとなり、その余波が上場クラスの大手ゼネコンにも波及している。

 建設需要は2020年の東京五輪、パラリンピック以降が焦点とされてきたが、2025年の開催が決定した大阪万博、リニア関連工事の本格化などの期待材料も控えている。ただ、建設業動向に密接にリンクする不動産セクターでは投資用物件を中心に、市況の不透明感も漂い始め、先行きの見通しは流動的だと東京商工リサーチは分析する。

 好調を維持してきた建設業界だが、牽引役の大手ゼネコンの利益水準は低下しており、「利益なき成長」が業界全体に波及する兆しなのか注意が必要だとしている。

【調査概要】
この調査は、2009年3月期から2019年3月期までの決算期を対象に、連続比較が可能な上場ゼネコン57社の単体ベースの業績(売上高・売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益)を集計、分析した。

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