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「逆イールド」発生から景気後退までは平均2年2カ月、三井住友DSアセットマネジメントが分析

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2019/08/21 10:00

 米国では10年国債利回りが2年国債利回りを下回る「逆イールド」が発生、景気後退懸念が強まっている。三井住友DSアセットマネジメントは、この状況を分析したレポートを発表した。

 三井住友DSアセットマネジメントは8月15日、マーケットレポート「米国の逆イールドが米国株と日本株に与える影響」を発行した。

 8月14日の米国債券市場において、10年国債利回りが一時2年国債利回りを下回る「長短逆転(逆イールド)」が発生した。逆イールドは、一般に景気後退の予兆と解釈されることが多く、市場参加者の間では米国景気に対する警戒感が強まっている。同日のダウ工業株30種平均の終値は、前日比で800ドル超の下げとなり、為替市場では日本円やスイスフランが対主要通貨で上昇した。

 逆イールドはすでにその他の期間でも発生しており、3月22日には米10年国債利回りが3カ月物の米財務省証券(TB)利回りを下回り、昨年12月3日には米5年国債利回りが米2年国債利回りを下回った。三井住友DSアセットマネジメントは今回のレポートで、米10年国債利回りが米2年国債利回りを下回った場合の逆イールドについて、過去、米国景気や市場にどのような影響を与えたかを検証している。

 米国は1990年以降、3度の景気後退局面を経験している。米10年国債利回りと米2年国債利回りの動きを確認してみると、そのいずれにおいても、景気後退局面を迎える前に、逆イールドが発生(図表1)。これは、3月の米10年国債利回りと3カ月物TB利回りの逆イールド、また、昨年12月の米5年国債利回りと米2年国債利回りの逆イールドについても、同じことが言える。

 上のグラフにおいて、最初に10年国債利回りと2年国債利回りの逆イールドが発生したのは1988年12月で、その1年7カ月後に景気後退局面を迎えた。次に逆イールドが発生したのは1998年5月で、その2年10カ月後に景気後退入りとなっている。その次に逆イールドが発生したのは2005年12月。景気後退はその2年後だった。つまり、逆イールド発生から景気後退まで、平均すると約2年2カ月を要していることになる。

 一方、ダウ工業株30種平均の動きをみると(図表2)、逆イールドが発生した1988年12月から1990年7月の景気後退入りまで約34.0%上昇(月末値で比較、以下同様)。また、次の逆イールドが発生した1998年5月から2001年3月の景気後退入りまでは約11.0%上昇している。そして、次の逆イールドが発生した2005年12月から2007年12月の景気後退入りまでは約23.8%上昇している。

 日経平均株価を見ると、同じ期間において順に約2.9%上昇、約17.0%下落、約5.0%下落。ダウ工業株30種平均とは対照的な動きになった理由として、当時の「バブル崩壊」「金融危機」という日本固有の問題が挙げられると三井住友DSアセットマネジメントは指摘する。

 過去の実績が必ずしも将来にあてはまるとは限らないが、米国の逆イールド発生で直ちに米国株や日本株の下落を連想する必要はない。ただ、米長期金利の低下による「円高進行」は、日本株の上値をおさえる要因となるため、いくぶん注意が必要だと三井住友DSアセットマネジメントは分析している。

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